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【メタ認知と脳の関係】

頭の良い人の多くが意識(人によっては無意識)して行っているメタ認知ですが、今回はその続編です
※参考記事


メタ認知は、自分の認知プロセスを理解し、制御する能力の事を言います
ざっくりとした例をだしてみると、
「テスト勉強しないといけないなのに、今好きな人の事考えてた!」みたいな現在の思考について考えてみたり、「ダイエットの時、家にお菓子があると我慢できないから、今から捨てておこう!」と事前に自分の思考を予測することも含みます


では、今回のテーマでもある、メタ認知と脳の活動にかんして詳しく書いていこうと思います

メタ認知と脳の活動
・メタ認知の神経基盤
メタ認知に関連する脳の活動は、主に前頭前野(特に腹内側前頭前野や側頭葉)や頭頂葉、前頭皮質などの領域で観察されます
これらの領域は、自己評価や判断、意思決定に関与しており、メタ認知的なプロセスを支える神経基盤とされています

※参考文献

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1053810000904471?dgcid=api_sd_search-api-endpoint

※参考文献

https://www.jneurosci.org/content/32/18/6117


・前頭前野の役割
前頭前野は、メタ認知において中心的な役割を果たします
特に、右側の前頭前野(rostrolateral prefrontal cortex)は、メタ認知的な判断を行う際に活性化し、自己報告の際の信頼度と関連しています
この領域の活動は、メタ認知能力の個人差を予測する要因ともなります

※参考文献

※参考文献

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/17588921003632529


・頭頂葉と前頭皮質の関与
頭頂葉や前頭皮質もメタ認知に重要です
これらの領域は、注意や認知制御に関与し、メタ認知的な判断を行う際の情報処理を支援します
特に、前頭皮質は、行動の選択や戦略的な思考に関連しており、メタ認知を通じて適応的な自己制御を実現するために必要です

※参考文献

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0010945219301911?via%3Dihub

※参考文献

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hbm.25142


メタ認知のプロセス
メタ認知は、主に以下のプロセスを含みます

・自己監視
自分の思考や行動を観察し、評価する能力で、これにより、学習や問題解決の過程での進捗を把握できます

・自己調整
自分の認知状態を基に、学習戦略や行動を調整する能力で、これにより、より効果的な学習が可能になります

※参考文献

https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1174/021347413807719148

※参考文献

https://pdfs.semanticscholar.org/467c/13755d925bb9da26a80cf8a5972cb64f44fd.pdf

・信頼度の評価
自分の判断や記憶の正確性を評価する能力で、これにより、誤りを認識し、修正することができます

※参考文献

https://www.cambridge.org/core/journals/journal-of-the-international-neuropsychological-society/article/21-patterns-of-neural-activation-associated-with-judgments-of-learning-and-retrospective-confidence-judgments-in-individuals-with-tbi/A2982D3FFFF8B424EA77AE2D22B97FAB

※参考文献

https://indico.cern.ch/event/1049604/attachments/2397152/4100066/Fleming_CERN_metacognition.pdf


このメタ認知によるメリット、デメリットについてもざっくり触れておきたいと思います

《メタ認知のポジティブな効果》

・学習の向上
メタ認知的なスキルを持つことで、学習者は自分の理解度を把握し、必要に応じて学習戦略を調整することができます
これにより、学習効率が向上すると言われています

※参考文献

※参考文献

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/0471264385.wei0705


・問題解決能力の向上
メタ認知は、問題解決においても重要な役割を果たし、自分の思考過程を振り返ることで、より効果的な解決策を見出すことができます

※参考文献

https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/003172170608700916

※参考文献


・感情の調整
メタ認知は、感情の認識と調整にも寄与し、自分の感情を理解し、適切に対処することで、ストレスや不安を軽減することが可能です

※参考文献

※参考文献


当たり前ですが、メタ認知にはネガティブな側面も存在します

メタ認知のネガティブな効果

・過剰な自己評価
メタ認知が過剰になると、自分の能力を過大評価し、実際のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります
これは、特に自己評価が不正確な場合に見られます

※参考文献

https://academic.oup.com/scan/article/11/12/1942/2544442

※参考文献

https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.1816781116


・不安の増加
メタ認知が自己監視を強化することで、過度の自己批判や不安を引き起こすことがあります
特に、失敗を恐れるあまり、過剰に自己評価を行うことがストレスを増加させる要因となります

※参考文献

※参考文献

https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/02109395.2019.1679457?journalCode=stpa


・思考の固定化
メタ認知が強すぎると、柔軟な思考が妨げられ、固定観念に囚われることがあります
これにより、新しい情報や視点を受け入れることが難しくなる場合があります

※参考文献

※参考文献

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/gbb.12555


今回はメタ認知についてより詳しく説明しましたが、メタ認知は脳の活動に深く関与しており、その効果はポジティブな面とネガティブな面の両方を持っている事が理解できたと思います

メタ認知を適切に活用することで、学習や問題解決において大きな利点を得ることができますが、過剰な自己評価や不安を避けるためには、バランスが重要です

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