脊髄損傷者の便失禁に関わる食事内容とタイミングの重要性
脊髄損傷の方が便失禁してしまうという場合に、食事が影響するのは当たり前のことだと理解していると思います。
何度説明しても、どうも理解してくれないなぁと感じる方がいらっしゃいますので、記載しておきます。
まずは、あぶら(脂質)です。
脂が多いお肉、ラーメン、揚げたものを摂取しすぎると、便失禁することがあります。便失禁リスクはランキングでも作りたいくらいで、トップ3に入るかと思います。
脂が原因となるのは、腸内でつるつる滑って、便が下りてきてしまうこともありますが、消化されなかった脂が腸を刺激し、腸液が多くでることで水様便で便失禁になるというのが医学的な説明となります。
また、冷たいのみもの、アイスなどです。
辛い物も刺激が強いので、腸輸送のスピードがアップして曜日固定のリズムより早く便が出てしまい便失禁ということもあります。
そんなことを言ったら、好きな物が食べられないじゃないかと怒られてしまいそうですが、そうなんです。事実なんです。
これはトレードオフの関係であり、便失禁したくなければ、避けなければなりません。脊髄損傷の宿命なんです。
食べるのであれば、排便ケアの前日の夜(翌日の朝に排便ケアがある場合)など、前日や半日前であれば、便の促通にもなるので、問題ありませんね。
食べるタイミングが非常に重要であり、排便ケアが朝にあり、その日の夜に刺激の強い物、脂っぽいものを食べると便失禁リスクが非常に強くなり、どんなに看護師さんががんばっても、便が出てしまうことは理解してほしいです。
ある意味、自己責任なので、本人がリスクを理解するのであれば、全く関係ありませんね。便失禁して対処する大変さもありますが、好きにしたい時も理解できます。
脂っこいものを食べる場合は、整腸剤でも内服すればいいのでしょうか、難しい問題ですね。