お腹のマッサージ
脊髄損傷者の排便ケアでは、看護師さんがお腹全体を「のの字」にマッサージをするのが教科書的なケア内容になっています。
私はこのマッサージを「おまじないマッサージ」と呼んでいます。
なぜ、「おまじない」かというと、看護師が念じていてリラックスさせるような効果程度しかないと考えているからです。
このマッサージで排便が出たことがありません笑
もちろん、このマッサージについて、私は論文は読んでいたうえで、この個人的見解です。
よくよく考えれば、おまじないマッサージが効果がないのは理解できますよね。
そんなんで腸が動いて便が出るなんてことがあれば、世界中で便秘なんてありませんし、くるくるとお腹を撫でているだけで便は排出するほど簡単なものではありませんよね。
だから、脊髄損傷者の悩みは排便の悩みと言われているんだと思います。
それでは、どんな腹部マッサージが良いのでしょうか?
文句ばっかり、批判ばっかりしているあなたはどうしているのですか?という幻聴が聞こえてきたので記載します。
まず、腸の走行をX線画像で確認してください。
腸は人によって走行が異なります。
そのうえで、解剖学的にどこに腸があるのかを、実際に把握できるようにしてください。これをしなければ、腸にある便を動かすことはできません。
大まかな手順としては
①腹部全体に機械的な刺激を与える(表層を柔らかく刺激→徐々に大きくしていき→腹部全体に圧を加える)
②横行結腸と下行結腸の捻転部をやさしくほぐして、末梢部へ流ように動かす。
*手はアーチを作って、腸を捉えるように。
③下行結腸から骨盤内側に当て込むように腸が逃げないように押し当てて便を流していく。
*リズム良く、20回ほど。手のアーチも作る。
④S上結腸の便を動かすために右の腹部に手を当てて圧が逃げないようにして、横内側方向へ流していく。方向、強さ、深さは腸の解剖学的な位置を把握して行う。
直腸は確認するので何もしません。
上記の記載で実際にできるとは思わないのですが、この腹部マッサージというか、排便促進の腹部マッサージにより、便は下りてきます。
この方法は完全に自己流で、何か客観的な指標で測定していないので、妄想という人がいるかもしれません。それはそれで仕方ないことです。
排便時に結果が出れば、それでいいんです。
もちろん、人によってやり方をアレンジしています。
のの字マッサージのお祈りが届いていて、しっかりと排便管理ができている方は、良いと思います。
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