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『夜光貝のひかり』ご感想紹介

「ジジ」様から素晴らしいご感想をいただき(元はブクログ)、掲載許可もいただいたので、ご紹介させていただきます。

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サッカー大好き少年が夢に破れてなんのやる気もない夏休み。

 両親に勧められて叔父さん達が住む奄美の島で夏休みを過ごすことになった小学校6年生の主人公彼方は、奄美の海辺でセーラー服を着た記憶のない幽霊少女と出会う。

 少女が失ってしまった記憶とは?

 これは少女の記憶に触れた主人公彼方の一夏の淡い恋と成長を描いた物語…だと思います。

 本作は200ページ程度の児童書扱いの作品ですが、文字数は少なめでもじっくり読みたいなと思える作品でした。

 読むだけなら1時間もあれば読めるでしょうけど、それでは勿体ないなと思うくらい、夏の奄美を感じていたい作品であります。

 気づきや考えることも多く、特に私は本作品からは「生きること」を考えさせられました。

 普通に当たり前に日常を送っている私は何かが起きないと、そういう当たり前の貴重さがわからないなと。

 たとえば、今日歩いてたら交通事故に遭うかもしれないし、事故によって死んだり、障害を負ってベットから動けない生活を送るかもしれない。

 地震や大雨によって家を失うかもしれない。

 ウクライナの人々みたいに戦争で日常を奪われるかもしれない。

 私もここ最近ではコロナ禍で当たり前の日常を奪われたし、コロナ禍の学生は当たり前にやっていた学校行事を奪われたし、青春を奪われたかもしれない。

 実は当たり前にある日常はある日簡単に崩れ去るということ、そしてその日常を奪われた事によって生活を脅かされたり夢を諦めないといけない日もくる。

 そんなことを考えるのは大袈裟かもしれませんが、本作はそういう残酷さをストレートに表現するのではなく、やりたいことに一生懸命打ち込めるうちは一生懸命打ち込みなさいというメッセージが込められているように思いました。

 夢は敵わないかもしれないし、夢を追いかけた先には当然厳しい現実もみるでしょう。

 しかし、磨くと真珠みたいに輝く夜光貝も磨かないと当たり前ですが輝くことはない。

 磨いても壊れるかもしれないし、磨いても思うように輝かないかもしれない。また、輝いても他の人の輝きに劣るかもしれない。

 でも、その磨いた夜光貝の輝きは自分だけの輝きで、そのひかりは永遠に輝き続け誰かを照らすかもしれない。

 そんなことを感じた作品でございます。

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私が本当に大切にしたかったことを読み取ってくださり、感激しております。
ジジさま、ありがとうございました!!