見出し画像

2020年9月 横浜トリエンナーレ

ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」を観てきました。

はじめに

3年に一度の横浜トリエンナーレ、第7回目の今回は「日本郵船歴史博物館」、「プロット48」、「横浜美術館」と三つの会場により構成されており、下記のようなテーマになっています。

第7回展となるヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」では、インドのニューデリーを拠点とするアーティスト3名によるラクス・メディア・コレクティヴをアーティスティック・ディレクターに迎え、彼らとともに時空を超える思考の旅へと誘います。
かつてアナログテレビがあった頃、放送終了後に流れた砂嵐の中には、ビッグバンの名残である宇宙マイクロ波背景放射と呼ばれる電磁波が含まれていたといいます。タイトルのAFTERGLOW(残光)とは、私たちが日常生活の中で知らず知らずのうちに触れていた、宇宙誕生の瞬間に発せられた光の破片を指すものとして選ばれた言葉です。ラクス・メディア・コレクティヴは、太古の昔に発生した破壊のエネルギーが、新たな創造の糧となり、長い時間をかけてこの世界や生命を生み出してきたととらえ、現代の世界もまた、さまざまなレベルでの破壊/毒性と、回復/治癒の連続性の中で、人間の営みが行われてきたと考えています。目まぐるしく変化する世界の中で、有毒なものを排除するのではなく、共存する生き方をいかにして実現するのか。ラクス・メディア・コレクティヴと共に、アーティストや鑑賞者、そのほか様々な形で本展にかかわる人々の間でこの問いを共有し、思考を続けていくことによって「ヨコハマトリエンナーレ2020」は形作られていくことになります。

日本郵船歴史博物館

横浜トリエンナーレの展示としては、下記の一作品のみとなるので、トリエンナーレとしてはアレなのですが、私は日本郵政歴史博物館自体初めてでしたので、博物館の展示を楽しむことができました。

貝殻の真珠層のような透明なオブジェクトの展示です。

画像1

近づくとこんな感じ。

画像2

プロット48

プロット48は南棟と北棟の二つの展示場所から構成されています。

南棟は元トイレを展示室に変えたような部屋があり、トイレと手洗い場の高さが子供用になっていたためリノベーションした建物なのかと思ってたのですが、元々は子ども向け商業施設だったんですね。

さて、南棟で展示されている作品のうち、自分好みだったのはイシャム・ベラダ(1986年モロッコ生まれ)の「数理的前兆#3」という映像と、水槽のなかのブロンズが次第に腐食して形が変わっていくのを作品として展示している「質量と殉教者」です。

「数理的前兆#3」の写真はこちら。

画像3

画像4

イシャム・ベラダの解説動画もYouTubeにありました。これ、実物だと思ってたんですが、CG画像だったんですね!

あとは、横浜トリエンナーレ・プロット48南棟といえば

エレナ・ノックスの

エビ

です。

ウロウロしているのとか、食事中のエビがいたり。

画像5

こんなところにもエビ。

画像6

ここにもエビ。のむき身。

フランツ・カフカの『変身』(Die Verwandlung)があるってことは、誰かがエビのむき身に変わったとことを暗示しているのでしょうか。

画像7

これもエビ。

画像8

さて、北棟で気になったのはラス・リグタスの「プラネット・ブルー」。

その名の通り、青いです。青くて幻想的。

画像11

展示の注意書きでも記載されているのですが、少し性的な表現もあります。

画像12

北棟で一番印象に残ったのは、コラクリット・アルナーノンチャイ(Korakrit ARUNANONDCHAI)というタイ人アーティストの映像&インスタレーション作品です。

解説はこちら。

画像13

映像は幻想的・象徴的なもので、説明するのが非常に難しいのですが、自分好みの作品で、そこそこ上映時間も長かったのですが、頭から最後まで見続けました。

残上映されていた映像作品の写真の幾つかを。

画像14

画像9

残念ながら本作品の解説動画はなく、別作品にはなりますが、下記YouTube動画からコラクリット・アルナーノンチャイの作風を見て取ることができます。

横浜美術館

今回の横浜トリエンナーレの象徴的な作品であり、Instagramも賑わしているのが、ニック・ケイヴ「回転する森」です。

横浜美術館入ってすぐの場所に展示されていました。

画像15

インスタにあるような綺麗な写真を自分では撮影できずモンモンとしてしまいましたが、モノクロにするとなんかイイ感じになりますね。

画像10

YouTubeに本作品の解説動画もありました。会場内の解説何も読まずに鑑賞していたのですが、美しい・楽し気な展示とは裏腹にメッセージ性のあるものだったんですね。

上記の解説動画で言及されているニック・ケイヴの「until」という個展の動画について報じている動画もYouTubeで見つけました。

これ、、、すごい、、、

扱っているテーマの難しさ・大切さと、展示作品の美しさ、スケール、楽しさのバランスが凄いですね。

是非日本でも個展を開催して頂きたい。

他に気になったのは、アーティストと作品名忘れてしまいましたが、宇宙からの電波を受信し音と色に変換して上映しているこちらの作品。

幻想的。

画像16

おわりに

第二回の横浜トリエンナーレ2005「アートサーカス(日常からの跳躍)」以来となる、二回目15年ぶりのトリエンナーレ鑑賞、天気にも恵まれ、横浜観光も兼ねて楽しむことができました。

自分的にはニック・ケイヴとコラクリット・アルナーノンチャイを知ることが出来たのが、一番の収穫。

是非、それぞれの個展を日本でやってもらいたいです。

おまけ

久々に横浜に来たので、ご飯も楽しもうと、それぞれ目当ての場所へ。

日本大通りのgoozにて、コーヒーとサンドイッチの朝ごはん。

お昼は「空海 本店」にて。

「空海御膳」を注文したのですが、下記のような盛沢山な内容で1,800円!とリーズナブル。もちろんお味も美味しかったです。

お造り五点盛り(ボタン海老/中トロ/鰹/松輪鯖/白身魚)
天ぷら盛合せ(海老2本/鱚/野菜3点盛り)
小鉢2品/茶碗蒸し/味噌汁/デザート

夜は桜木町の王将にてビールと餃子でシめようと思ったのですが、2017年に閉店していたんですね、、、、残念。

いいなと思ったら応援しよう!