【STEAMS教育特集】子どもの「好き」を見つける方法
今回は、株式会社D-robot代表取締役 山崎伶(やまざきれい)さんに、インタビューさせていただきました!
山崎さんの会社概要はこちらから確認することができます。
子どもの「好き」を見つける方法
幼稚園のアルバムに、なりたい夢は「大工」
両親共に文系でしたが、私自身は幼少期から工作やものづくりが好きでした。ある日、おじいちゃんが、壊れたプラレールを分解して自分で直している僕を見て、近所の公民館でやっている編み物や工作の体験教室に連れて行ってくれたり、工具を買ってくれました。振り返れば、ものづくりにばかり時間を使っていましたね。特に木工が好きだったことと、両親から「大工とか職人になってみれば?」と言われたことがきっかけで、大工の仕事を知り、興味を持ちました。旅行に行った際も、なるべくものづくりの体験ができる場所を探してくれていたようです。幼稚園の時から高校の進路選択時まで、「大工」という夢は変わりませんでした。
ものづくりは好きだったものの、高校で次の進路を選ぶ際、僕自身は普通校でもよいかなと思っていたのですが、木工美術の学校や高専の存在を両親が教えてくれました。今思えば、両親は僕の「手が器用」という特性や興味分野を理解した上で、さまざまな情報や進路を提示してくれたのだと思います。そういったサポートがあったからこそ、僕はある意味で自由な選択をすることができたのでしょう。
「大工」から「ロボット開発」に変わったきっかけ
高校受験の時に大工になるべく、「学生をしながら弟子入りをするか」「木工技術の専門学校に進むか」などいろいろ考えました。しかしちょうどそのタイミングで「アイアンマン」というロボット映画を見たことで、僕の人生は一変しましたね。「今はないけれど、今後こういうロボットが出てきたら面白いな!」「みんながわっと驚くロボットをつくれたらいいな!」という衝動に駆られました。そこで「宮大工」という伝統的な仕事と、「ロボット開発」という新しい価値をつくっていく仕事でかなり悩みましたが、新しい技術を学んで、新しいものをつくっていく方が、飽き性な僕の性格的に向いていると思い、ロボット開発の道に進みました。
高専は良い意味でも悪い意味でも、専門が限られます。専門分野を突き詰めるのも良いですが、いろんなものに興味を持つことは大切だと思っています。幅広い知識を得つつ、とがった専門をやっていくのは大事だなと。今特別にやりたいことがなかったとしても、何か1つやってみる。それが興味のないことだとしても、興味がないこと自体が悪いことではなく、そう思っている自分を知ることが大切だと思います。やってみて、興味のあること興味のないことを理解し、自分の個性を形として定めていく作業を小さい頃からやっていたら、自分の「やりたい」や「得意」が見つけられるのではないかと思います。
「経験を積むこと」の大切さ
とにかく、いろんな経験をすることが大切ですよね。僕は中学生の時、内向的な性格だったからかわかりませんが、いじめられていました。その時母親の友達がケニアでNPOのボランティア施設を運営していたこともあって、「海外に行ってみれば」と背中を押され、「行きたくない学校に行かないで済むなら、ケニアに行ってみよう」と、現実から逃げるように渡航しました。先日父親と飲んでいて、「あの時、あんなに内気だったお前がケニアへ行くって言いだしたから、本当にびっくりした」と言われるくらい当時の僕は内向的で、新しい場所へ行くのも抵抗感がありました。しかし行ってみたら案外楽しいし、自分が今まで知らなかったことや考え、こういう風に思うんだと自分を知ることにも繋がり、それ以来、できるだけやったことのない新しい経験を積むことを意識してきました。
また、高専に入ってすぐは座学が多いので、自分の手を動かす機会を自分でつくりにいくのは大切でした。4年生になってゼミに入るまで、自分の手でものづくりをする経験がほぼないからです。ゼミに入った時に、ものづくりの経験値の差が顕著に出ます。僕の入ったゼミでは、僕以外の全員がロボットコンテストの経験者でした。その人たちはどんどん手が動くし、どんどんいろんなものをつくるし、機械や電気の知識面でも僕よりはるか上でした。その時に、「ロボコンをやっておけばよかった。やっていれば、すぐ手を動かせたのにな」と後悔しました。
海外に行くのも1つの手だと思いますし、いろんな場所へ行くことやいろんな体験をすることがとにかく大切だと思います。とりあえず何かやってみるのが大切。興味がなくても、一歩踏み出す。それが面白いと感じて、もう一歩踏み出して行けば、歩幅はどんどん大きくなるのではないでしょうか。
パートナーシップクラスのご案内
スクーミーは、様々なジャンルのプロフェッショナルの方々が世の中に提供している価値を知り、理解し、自分だったら何ができるのかを考え行動に移せる環境を大切にしています。
子どもたちにとって自らの学びが世界とつながることは当事者意識を成長させる貴重な経験になると考えているからです。
そのために、企業のことを知ったり体験できるエリアを用意しています。
5月のテーマ「ロボットとワクワクしよう!」
ロボットといえば何を思い浮かべますか?どんなロボットがあったらワクワクしますか?
今回のフェスタでは、DJするロボット(LYNX)の開発秘話やロボットに関するクラス、プログラミング体験などを企画しています。
さらに、山梨都留会場では、「家の中の見えないふしぎを調査するセンサー」を考え、つくり、使う、体験学習も行います。
その他にも、自分のアイデア次第でさまざまなセンサーをつくることのできる時間もありますので、ぜひ直接会場へお越しください。
会場に来ることができない方はオンライン会場をご用意していますので、ご家族そろって気軽にご参加ください。