教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム2024年総会イベントレポート (後半)
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※当日のボランティアスタッフによる記録をもとに作成した概要ですので、詳細な表現やニュアンス等については実際のやりとりと異なる部分があるかと存じますが、ご容赦いただきますようお願いいたします。
6月29日(土)にデジタルハリウッド大学にて、「教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム2024年総会」が開催されました。「出る杭は繋がり、響き合う〜対話で生みだす明日への挑戦〜」というテーマを掲げ、対面とオンラインのハイブリッド形式としました。北は北海道から南は九州まで、対面で約140名、オンラインで約50名が参加しました。
4. テーマ別セッション
このセッションでは、「誰ひとり取り残されない学びの保障」「学びのカタチのアップデート」「組織としての学校のこれから」といった3つの分科会に分かれて、オープン・スペース・テクノロジー(OST※)形式でワークショップを行いました。OST形式を取り入れるのは初の試みでしたが、参加者自ら議論のテーマを提案し、活発な意見交換が行われていました。
※OST:参加者の主体性を尊重しながら話し合いを進めるワークショップの手法。参加者自身が議論したいと思うテーマを提案し、そのテーマに興味がある人たちが集まって意見を出し合う。
4-1.誰ひとり取り残されない学びの保障
「遺伝子、発達障害、LGBT」「学びの多様化学校」「包摂的な学校文化づくり」などといったテーマが提案されました。
「遺伝子、発達障害、LGBT」では、「学校ではこうあるべきといった固定的なマインドが浸透しており、その一定の物差しで測り押し付けることで子供達を苦しめている。」という問題意識が共有されました。
また、「学びの多様化学校」では「30人の生徒がいれば30通りの理解度があり、障害を持つ子供もその時その子が何をすべきかにフォーカスして考えるべき」といった意見が出されたり、「どんな力を付けたら良いか家庭と相談していたり、地域の人が第三者として入って利害関係のない人間だからこそできる関わり方をしたりしている」という事例が紹介されました。
4-2.学びのカタチのアップデート
この分科会では、「教育DX」「学びの変革を進めるための学校への伴走のあり方」「ベップトーク※」などといったテーマが提案されました。
「学びの変革を進めるための学校への伴走のあり方」では、「学習者中心の学びの実装を進めていくことと同義ではないか」といった意見や、変革のための学校組織におけるガバナンスの形、外部組織との連携、伴走者としてのコーディネーターのあり方など多角的な観点から議論が繰り広げられていました。
また、「ベップトーク」では、捉え方や伝える言葉を変換することの重要性が確認され、「ありのままで素晴らしい」「短所は長所」「主役は子ども」など、とてもポジティブな言葉が取り交わされていました。最後は、「子どもだけでなく、親も教師も教育委員会に対しても届けていきたい」「とても良い取り組みなので、全国に広がっていってほしい」といった感想も聞かれました。
※ベップトーク:もともとはスポーツの試合前にコーチが選手を励ますために行っていた激励のスピーチ。教育現場や職場でもポジティブな言葉を使ったコミュニケーションスキルとして応用されている。
4-3.組織としての学校のこれから
この分科会では、「学校と外部のWinWinな連携のあり方」「自走する組織校長、副校長の人材育成」「真に持続可能なコミュニティスクールとは」「中間村地域の地域資源を生かした街作り」などといったテーマが提案されました。「学校と外部のWinWinな連携のあり方」のテーマでは、「学校の方針やグランドデザインはあるが、外部から来た自分たちが担当している総合学科の時間に、どういう学びを進めていくのかが決めきれない。」という問題意識が共有されました。それに対し、地域と学校を繋ぐ役割を果たしている教員コーディネータについて共有されたり、どういう学校にしていくかという意思が必要であり、具体的なビジョンの実現には市との連携も必要であるといった意見が出されました。
また、「中間村地域の地域資源を生かした街作り」のテーマでは、「『標準化したものを提供する』という視点のみでオリジナルなものをつくる余裕がないと、10人しかいない少人数学校は統合してしまおうといった発想になってしまう」という問題提起や、中間村地域の学校の意義について、「保護者も大きな学校に行った方が安心であるといったことがあるが、一方『誰のための教育なのか』を考えないといけない」という意見が出されていました。
また、オンラインで接続いただいた参加者のみなさまも、各テーマに分かれて議論をいただきました。「自律学習」や「ベテラン先生の学び直し」、「心理的安全性の高い職員室」といったテーマが提案され、オンライン関係なくエネルギーあふれる意見交換が行われていました。
以上で、総会のメインコンテンツは終了となり、最後は参加者から参加者からは「みなさん生き生きしていて非常に学びが深く、日本の教育は熱いと思えた。みんなで挑戦していきたいと思った。」「時間が足りない。もっといろんなテーマで話したい。」「首長との関係や議会とか校長会とかの悩みももっと突き詰めたいと思った。」といった感想を共有いただきました。
参加者のみなさまの熱気に包まれながら、2024年総会は幕を閉じました。
ご参加頂いた皆様ありがとうございました!
また2025年総会でお会いしましょう。
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