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086何を買いたいのでしょう
卒業アルバムと学校写真のエキスパート 一級写真技能士の田賀谷浩です。今回もお目通しいただきありがとうございます。一体全体、私たちはなぜ卒業アルバムを作るんでしょう?
人はお金を払ってまで何が欲しいのでしょう。生活必需品の場合はその物自体に必要性があっての事ですが、あっても無くても別に困らない物やサービスに対してもお金を払って手に入れようとします。さて、何を手に入れようとするのでしょう。
既に言い古された表現ではありますが、その物やサービスを通じて気持ちの変化に対価を払っているという事です。しかもその気持ちは心地良いものだけでは無く、ホラー小説やお化け屋敷のように、本来なら望まないはずの恐怖や不快感ですらも買われたりします。
とすると受け取り手が卒業アルバムを手にする事で得たい感情や気持ちの変化は何だろうか と考える事が非常に重要になってくるわけです。
姿を残す事自体が特殊技能で、その事で気持ちに変化をもたらせた時代はとうの昔。静止画は言うに及ばず動画ですら誰にでも簡便に出来て当たり前のご時世に、写ってるだけで得られる感情の変化は大したものになりません。
昨今の傾向として、自分が関わりたい、手掛けた物を残したいという欲求が顕著に思われます。であるならそれを体現させてあげる社会体験を提供する事は、大きな気持ちの変化や感情の充足に繋がり、お客様に「つかえる」事にもなるのではないでしょうか。
仕事という単語は言い得て妙だと思っています。漢字の仕も事も共に訓読みは「つかえる」で、つかえるの意味は「目上の人のそばに居てその用をする。その人を主君・主人・長上としてその人のために働く。」なのだそうです。
写真業はサービス業のうちに含まれますが、つかえるの英訳は service の動詞形である serve である事を付け加えておきます。
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