059構図のはなし2(いい写真とは8)
卒業アルバムと学校写真のエキスパート 一級写真技能士の田賀谷浩です。今回もお目通しいただきありがとうございます。画面分割の2回目です。
前回触れたうち2分割は等分での分割でしたが、今回は等分ではない2分割についてです。
平方根分割の構図
絵画に代表される平面の表現において、実は非常に多用されるのが平方根分割です。基準値とその平方根とで画面の一辺を分割して画面構成をすることで、安定感や緊張感などをより強調しています。触りとして√2と√3でお示ししましょう。
1:√2分割 と 1:√3分割
下側を大きく分割していますが、上側を大きく取っての分割もあります。では作例として同一カットのトリミングを変えての物で比較してみましょう。短辺の1:1、1:√2、1:√3の比率で水平線の位置を移動させます。
同じ場所を同じ遠近感で切り取っても、海の広さや島との距離感に変化が現れているのにお気づきいただけるでしょうか。併せて1、√2、√3と変化していくにつれて安定感が徐々に薄れ緊張感が徐々に増していくようにも感じていただけるのではないでしょうか。例示はしませんが、√4(=2)、√5・・・と比率を増していくごとに画面が安定から緊張へと変化していきます。
長辺で分割すると次のようになります。差がより大きく見える分、安定や緊張が分かりやすくなっているのではないでしょうか?
作例としての写真は、積乱雲の浮かんでいる空を1、水平線から下を√3に分割しつつ、陸のシルエットだけになる部分を1、その上側を√3に分割してフレーミングしたものです。
いかがでしょうか?安定の中にも適度な緊張感もある画面構成になっているのではないでしょうか?
ちなみにこのショットで私が見せたいと思った場所は何処だと思われますか?なぜこのような構図をとったかについては・・・
次回の話とさせていただきましょう(^^)
今回もお読みいただきありがとうございました。