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036遅かれ早かれ 次は学校写真で・・・?

卒業アルバムと学校写真のエキスパート 田賀谷浩です。
今回もお目通しいただきありがとうございます。
昨日も胸を痛める話題がニュースを賑わせていましたので、思う事を綴りましょう。

以前も触れた話題ではありましたが、七五三シーズン本番を迎え「マッチングサイトから派遣されたとおぼしき「にわかプロ」によると思われるトラブルがあちらこちらで顕在化しているようです。

ニュース記事で触れられている神社の環境がどんなものかは知る由もありませんが、声が聞こえたということは壁の無い拝殿で執り行われていたのでしょうか。婚礼に御出席されていたご親族から境内での七五三撮影のかけ声に対して雰囲気が壊れると注意がなされたようで。

他にも「他の参拝者にどいてと促す」「結界に立ち入る」「狛犬に登る」「飛ばしたシャボン玉で他人の服を汚す」「賽銭箱の前を1時間も占有」などの撮影中のトラブルや、「挙げ句が個人写真を装ってとぼける」「預かった許可証を返却しない」など、人としてどうよ という事例も含めて枚挙に暇なく指摘されていました。

一言で片付けてしまうなら「他者や周囲への配慮欠落」に尽きます。

記事では アマチュアカメラマンに限られていたトラブルが「プロ」にも波及した と触れられていましたが、彼等の心構えはアマチュアと変わらないレベルでしょう。なので私は若干の蔑如も込めて、敢えて「にわかプロ」と称しているのです。


「プロ並みの機材を持っているんだ」「登録している有資格者なんだ」「ギャラもいただいているんだ」などの要因からある種の優越感や万能感を得ている事もあり、「映える写真が撮りたい」「利用者からの高いレビュー評価が欲しい」という我田引水の利己的な動機も相まって、プロとして持ちうるべき心配りもせずにエゴイスティックな言動を現わしているように思えます。

その辺りはいわゆる「撮り鉄」と呼ばれるカメラマンによる、駅のホームでの駅員恫喝やら風光明媚な所での私有地侵入、果ては線路内侵入などによる鉄道営業法違反などに相通ずる所を感じています。

要因のひとつは急速な撮影機材の進歩と普及により、趣味と実益を兼ねて手にされる方が増えたことですが、最大の要因は急激なマッチングサイトの増加に伴ってにわかプロ登録者が急激に増大したことではないでしょうか。
つい数年前までは何度かプロに同行して助手として現場体験をしたり、撮影マナーを習得したりしてからでないと業務の依頼もしないしされないしという環境でしたが、マッチングサイトに登録するだけで業務依頼を受けられるようになった事で、現場もルールもわきまえる間もないまま現場に出る事が叶うようになったからではと思われてなりません。


決して「にわかにプロの活動をする」事自体を否定するつもりはありませんが、彼等に申し上げたい事として、プロとして持ちうるべき資格の最たるものは、マナーとしての「他者への配慮」が欠かせないということです。

神社仏閣は撮影者の物ではありませんよね。もし貴方のカメラを他者が勝手に手に取り操作をし出したらどんな気持ちになりますか?「勝手に手にするな」「一言断れ」「大事に扱って決して壊したりするな」くらいの思いは去来するのではないですか?
であれば他人の所有地で撮影するならそれなりの心配りが必要でしょ?始まりと終わりにはきちんと挨拶をする、他人様に不愉快な思いをさせないように常に気を配る、必要に応じては金品で謝礼もする・・・。

依頼者はいうに及ばず、施設の所有者にも、その場に居合わせている他者に対しても、自分は優越者でもなんでもない、皆さんのご厚意で撮影をさせていただいているという意識で常に振る舞わなければいけません。それがプロ(というより一人の大人として)の心構えというものです。

とは言いながら最後は個人の自制にしか依れない事なので、当事者でない立場としては無力感がありますね・・・。


ここまで書いて頭を過る不安がひとつ・・・。
マッチングサービスを用いている事からも、学校写真の分野にも「にわかプロ」カメラマンによるトラブルは遅かれ早かれ生じる事が懸念されるという事です。

プロのレベルでない仕事の質で学校や園、保護者にご迷惑をかける
学校や園、訪問施設の方針を軽んじて自分のルールで行動してしまう
データの取り扱いがぞんざいで漏洩が起こる
あろうことか窃盗や盗撮、性犯罪などの刑法犯罪にまで及ぶ・・・


間口が拡がるとそれなりに不安や対処が増えていくものだなぁと思いつつ
今回はこの辺りで。最後までお読みいただきありがとうございました。

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