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3児の母が実践する Juggling Work and Life
9歳、4歳、3歳の3人の子どもを育てながらシュナイダージャパンで現在Offer Marketing & Offer Expert Leaderとして活躍する佐々井さん。営業職としてキャリアをスタートし第一子を出産。復職後も希望する営業職としてのキャリアを諦めない一方で家庭も大切にしながら、どんな道を歩まれてきたのか、その思いと、リアルな経験を語っていただきました。
まずは自己紹介
ご家庭の状況を教えてください
9歳の長女、4歳の次女、3歳の長男の3人の子どもを育てながら共働きしています。夫は日系企業で陽子線がん治療装置のエンジニアとして働いており、夫婦ともにフルタイム勤務+出張もあります。
日中は子どもを保育園に預けながら、在宅勤務制度を活用して、できるだけ自分たちで家事・育児をこなすようにしています。とはいえ、3人の子どもがいると毎日が大騒ぎ。家の中は常ににぎやかです!
シュナイダーでは、どんなお仕事をされていますか?
私はインダストリアルオートメーション事業部のオファーマーケティング部に所属し、工場の生産ラインに使用される「MC12マルチキャリア」などの次世代搬送装置、ロボティクス、モーション製品の日本の責任者をしています。
製品のリリース、ライフサイクルの管理、市場拡大や客先を開拓するための戦略作りから、客先に提案して商談をまとめる仕事、納入後のサポート等、担当製品に関わることに関して幅広く関わるのが私の役目です。
特に、ドイツで開発・製造された製品を日本市場に届ける役割を担っていることから、ドイツの開発チームと連携し、日本のお客様のフィードバックを伝えたり、製品改善の提案をしたりすることも重要な仕事です。
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「やっぱり営業がやりたい!」から始まった挑戦:これまでのキャリアヒストリー
これまでのキャリアについて教えてください
新卒で日系大手電機メーカーに入社し、JR東日本向けの新幹線や電車の電機品(インバーター・モーター・空調など)の営業担当として私のキャリアはスタートしました。
その後、北米向けの電機品の海外営業を担当し、外資系企業へ転職。東南アジアの自動車メーカー向けに塗装ロボットシステムを販売する仕事に8年間携わりました。
2022年にシュナイダーエレクトリックへ入社し、MC12マルチキャリアをはじめとした新製品の販売を担当。その後、営業経験や製品に関する知見を買われ、現在のオファーマーケティング部へ異動しました。営業とマーケティング、両方の視点を持つことで、より市場にフィットした戦略を立てられるようになったと同時に、お客様の要望に合う製品やサービスが届けられるようになったと実感します。
育休復帰直後に「営業NG」!?
長女を出産し、仕事復帰した直後のこと。前職では「出産直後の女性は営業の前線に立てない」と判断され、営業ではなくバックオフィス業務にアサインされてしまいました。小さい子どもを抱えながら営業職としてキャリアを歩むことについては大変であるとは理解していました。だからこそ営業職への復職に向けて覚悟を持ち、家庭におけるサポート体制を整えて復帰したこともあり、キャリアが閉ざされたようで、とても辛かったんです。お客様の要望を聞き、技術的課題を最前線で解決できる営業の仕事が好きだったので。
「私は営業をやりたい!」と上司に訴え続け、その際に「なぜ小さい子どもがいても営業として働けるのか」を粘り強く説明。その熱意が伝わったのか、1年後には営業職への復帰が叶い、そこから多くの経験を積むことができました。
子どもの数と責任範囲が増えるごとに増す両立への課題
今は3人の子どもを育てながら、一方で仕事の業務量も増え、加えて求められるレベルも高くなっています。ゆえに、過去に抱えていた悩みとは全く質の異なる課題に日々直面しています。子どもが3人いて、しかも年齢も離れてくると、それぞれの習い事の送迎スケジュール、生活リズムや遊びが違うんですよね、、、でも子どもの「やってみたい!」も応援したいし、行事も逃したくない、そして仕事も忙しい(笑)これはお子さんを持つ方の共通の悩みなのでは、と思います。
ということもあり、以下の3点について常に意識しつつ、毎日試行錯誤しながら日々の生活を回しています。
✔ 子どもの習い事やスケジュールのやりくりに頭を捻る
✔ 短時間で仕事のアウトプットを出す工夫
✔ 優先順位を明確にして計画的に動く
「子育てと仕事の両立はしんどい!」 ー それでも私が挑戦し続ける理由
「日本では女性が出産後に仕事を続けるのが難しいかもしれない。でも、あなたは先陣を切って道を開いていきなさい。」
20代でのフランス留学時代、年上の友人がかけてくれたこの言葉。日本ではまだまだ女性が出産後にキャリアを続けることが難しいかもしれない。けれど、だからこそ、自分が道を切り拓く存在になれ——そんな友人の言葉が、ずっと私の背中を押し続けています。
「仕事と育児の両立こそ、あなたの腕の見せどころ。」
敬愛する亡き祖母が私に言った言葉です。育児と仕事に追われ、心が折れそうになったとき、この言葉を思い出して何度も踏みとどまりました。
そして、義母の姿。彼女は、女性が仕事と家庭を両立することが今よりずっと難しかった時代に、周囲の声に負けず仕事を続けました。そんな彼女の生き方が、私に「できる」と思わせてくれると同時に、今の私の信念を形作ってくれています。
「子育てはつらい」「日本は子どもに厳しい」「保育園落ちた、日本死ね!」——。こうした言葉を目にすることは珍しくありません。確かに、子育てと仕事の両立は決して簡単ではなく、日本の制度もまだまだ十分とは言えませんし、仕事と育児の板挟みに悩むことも多いのは事実。
私自身、3人の子どもを出産し、仕事と家庭を両立させようと試みる中で、想像以上の体力的・精神的な負担を実感しました。「両立は無理なのでは?」と思うことも一度や二度ではありません。でも、それでも続けられているのは、子どもを育てることの大きな喜びと、支えてくれた人たちの言葉があるからです。
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どんな仕事のプロジェクトの成功も凌駕する達成感
仕事をすることで最先端の技術に触れられ、世界中の仲間達と共に最先端の技術を利用してお客様の生産現場における課題解決に当たれることが、やりがいになっています。特に、今まで世の中になかった製品を市場に投入して、革新的な装置が出来上がった時はメーカーに勤める醍醐味を感じます。
一方で、子育ては毎日終わりのないタスクの連続。食事作り、オムツ替え、泣いたらあやして、時に予期せぬ発熱もあり、自分自身でコントロールできない部分が多く、苦労をすることがあります。
それでも仕事と育児の両立の道を続けられるのは、やっぱりこの仕事が面白いから。そして子どもを育てることの喜びがあるから。昨日まで歩けなかった子どもが一歩を踏み出した瞬間。泳ぐのが苦手かもしれないと心配していたのに、努力を重ねてバタフライをマスターした姿。子どもが成長していく瞬間は、大きな感動を与えてくれます。
また、出産はどんな仕事のプロジェクトをも超える達成感と幸福感をもたらしてくれました。そのような経験ができたことを幸せに思いますし、子供を育てる過程において、人生でこれほど誰かに必要とされる経験って、他にはないと思うんですよね。
毎日の時間管理:タイムマネジメントは「あきらめ」も大切
日々のスケジュール管理においては、試行錯誤の末今のスタイルに落ち着いています。子ども達の成長に応じて柔軟に対応してきました。
日々を回す中で大事にしている価値観、それは「仕事」と「子供を含む家族」という重要な2つの柱を意識することです。この2つは私の中では欠くことのできないもの。大切な2つの柱があること、この柱は万人が持てるものではないこと、どちらにもエネルギーを注げることを、日々感謝しながら生活しています。
1. 在宅勤務やフレックス制度を活用し、夫婦で役割分担
コロナ禍を経て社会的に在宅勤務が進んだこともあり、幼子を抱えながら働く親にとっては本当に追い風になりましたよね。シュナイダーでも在宅勤務制度があることから、幼子を持つ親にとって勤務場所に囚われないというのは、キャリアを諦めないことに繋がると私自身の経験を踏まえて実感します。
特に我が家のスタイルは以下4点に集約されます。
・どちらかが在宅勤務になるよう調整
・夫婦で出張が重ならないようスケジュールを調整
・どうしても重なるときは義母のサポートを活用
・フレックス制度を使って子どもの急な発熱時やお迎えが必要な時は一時的に仕事を抜けることも。
・18時以降、ヨーロッパと会議が必要な場合は、夫が食事・入浴・寝かしつけを担当。
柔軟に働ける会社の制度・環境を最大限活用しつつ、夫婦どちらかしかできない家事育児がないように、夫婦で心がけています。
「夫婦どちらかしかできない家事育児がないように」…理想的です
夫への感謝は日々を円滑に回す上で重要なポイントだと思っています。仮に夫がやってくれたことについて、全てがうまくできていなくても、昨日と比べて少しでもやってくれたこと、スキルがついてきたことに目を向けるようにして、感謝の気持ちを持つように心がけています。とはいっても、そんなに上手くはいかず、ケンカすることも多々ありますが(苦笑)子供への声掛けや姿勢も、同様に考えています。
2. 「子どもは大人の思い通り動かない」を前提に、できる工夫を
子どもは想定通りに動かないもの。タイムマネジメントをしすぎてもイライラしてしまうので、「あきらめる」ことも大事だな、という境地に至りました、、、その上で、自分でマネジメント範囲内については、お金がかかったとしてもQOLが上がるのであれば、躊躇なく取り入れることで、自分が楽になるようにしています。
✔ 最新家電(乾燥機・食洗機)をフル活用
✔ ミールキット・食材おまとめ配達&冷凍食品で時短
✔ 注文後にすぐ届くAmazon Prime
✔ 月一の家事代行サービス(浴室を始めとする水回り&部屋の掃除)を依頼して、平日掃除は極力しない
✔ 子どもにお手伝いを頼む(洗濯物を畳むなど)
✔ 時にはYouTubeを見せている間に家事を片付ける
3. それぞれの子どもとの時間を確保する
3人いると1対1の時間がなかなか取れないのが課題。だからこそ、Quality of Timeをとても重視していて、「1日5分でも個別に向き合う時間を作る」ことを大切にしています。短くても子どもの話をそれぞれ聞いたり、一緒に遊んだりすることで、子どもたちも満たされ、笑顔が増えるなぁとつくづく思います。
最後に、今仕事と家庭の両立で悩む方、あるいはこれからの世代にエールをお願いします!
どうか妊娠出産時期を逃さないで…
特に女性は、出産の年齢に医学的に制限があるので、妊娠出産時期を逃すことないよう、計画を立てることも大切です。キャリアに邁進していると、ともすると妊娠出産のタイミングを逃してしまうというのは、私自身も含めて昨今の女性に多く見られる傾向かと思います。一人で完結する話でもないので、なかなか計画できないジレンマはありますが、ぜひとも、まずは正しい知識を手に入れてと声を大にして言いたい!
男性の育児参加が当たり前になる未来へ
最近では、保護者会に参加するお父さんの姿も増え、公園でも子どもと遊ぶお父さんをよく見かけるようになりました。フレックス勤務や在宅勤務を活用しながら、育児に積極的に関わる男性も増えている気がしています。
夫婦がお互いに、頑張るパートナーを応援し、よき話相手になると良いなぁと思います。
仕事と家庭の両立に迷うすべての人へ——
大変なのは確か!!でも、仕事と子育てを通して、新しい世界が広がりました。子供の成長を通して再度自分も育ててもらっていると感じます。また、1日24時間と限られている中でどう効率的に物事をこなしていくか、優先順位のつけかたがうまくなったり、すぐに行動できたりと、新しいスタイルが見に付いているとも実感します。一人では到底味わえないような、感動する出来事も増えました。
もし「キャリアも家庭もどちらも大切にしたい」と思うなら、ぜひ挑戦してみて欲しいです。