ポー平原に広がる都市
Padova (Veneto)
Vicenza (Veneto)
Modena (Emilia-Romagna)
Parma (Emilia-Romagna)
Ravenna (Emilia-Romagna)
Bologna (Emilia-Romagna)
Ferrara (Emilia-Romagna)
Cremona (Lombardy)
Pavia (Lombardy)
魅力的な街が至る所に広がるイタリア。その中でも私が最も好きな場所はポー平原に点在する都市です。この辺りはトスカーナ州などと異なり土地の起伏がないため少々単調に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、その分、各都市が互いに比較できないほど非常に個性的で、私は面白いと思います。おまけにどの都市もローマ、ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ナポリほど大きくもなく有名でもないため、比較的空いているます。更に加えて、このあたりは古代ローマ時代のエミリア街道に沿って鉄道網が発達しており、沿線上の主要都市なら簡単に行くことができるのです。これは運転免許を持っていない私たちとっては非常に高いポイント。実際、この鉄道網を利用して、西はトリノやミラノ、東はベネツィアまで容易に足を伸ばすことができます。その利便性が作用して、どの都市もだいたい宿泊することなしに日帰りで訪れていましたが、去年ヴィチェンツァ、今年フェッラーラにそれぞれ3泊して、改めて複数日滞在して歩き回らないと見えてこない部分もあるなあとつくづく感じました。また、フォルリやリミニなどエミリア街道を南東に下った海の方向にはまだ足を伸ばしていないので、今後もしばらくこの辺りを繰り返し訪れることになりそうです。ああ、次はいつ行くことができるのかな。
ところで、「そんなにイタリアが好きならイタリアに住めばいいのに」とかつて知人に言われたことがあります。でも、旅として短期間訪れるのと、長期間にわたりその土地に住むのとは、全く違うことなんですよね、少なくとも私にとっては。確かにイタリアには強く惹かれる部分がありますが、ちょっと今考えてみただけでも、例えばお役所関係の手続きはドイツよりも更にハードルが高そうだし、そして何よりも、この年齢でイタリア語をゼロのレベルからイタリア人と時に戦えるレベルにまで上げる労力を考えると、やはりそう簡単に「イタリアに住みたい」とは思えないのです。10年以上かかって、やっと言葉の上でも環境の上でも「第二の故郷」と呼べるほどドイツに慣れてきたので、やはり私は今後もここドイツで暮らしていきます…。
なお、Padovaを撮影したのはHasselblad 500 C/Mですが、その他の都市は全てRolleiflex 2.8FのPlanar、またはXenotarで撮影しました。フィルムはPadovaがPortra400、ParmaがPro400H、白黒写真は全てHP5 Plusを使用しました。