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ドイツで考えたこと

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2023年9月の記事一覧

Hの災い

ドイツ語の発音はそれほど難しくない。基本的に書いてある文字をローマ字読みすれば良い。 一体いつどこで目にしたのか、ドイツに来てドイツ語を勉強し始めた頃、既に私の頭の中にはそんな文章が刷り込まれていました。英語との付き合いは長いのに、未だにその発音に自信がない私。「ドイツ語の発音は簡単だから」と、最初から完全に甘く考えて勉強し始めたのでしたが、まもなく泣きを見ることになります。 ドイツ長期滞在許可を得るために、私は短期間のうちに一定のレベルのドイツ語を習得しなければなりません

時間の感覚

母がヨーロッパの文学や音楽に強い関心を寄せていたせいか、ヨーロッパは幼い頃から私の身近にありました。大学での専攻は比較政治で、主にヨーロッパの政治・歴史・思想について勉強していました。30代を過ぎたころから、ヨーロッパには度々旅行していました。そのせいか、私はドイツに移住した後も、ドイツという国の文化や習慣などに対し、コペルニクス的転回を強いられるようなカルチャーショックなるものを受けたことはありません。確かに「日本にいる時のようには物事が運ばないのだ」と思うことはあっても、

診断書

1月初め、突然首が痛くなりました。 最初は、単なる「寝違え」だと思っていたのですが、その後1ヶ月を経て良くなるどころかジワジワとひどくなるばかり。ついに昨日は全く下を向くことができなくなり、痛み止めを飲んでも効き目がないことから、医者に行くことにしました。ドイツの医者は日本の歯医者のようにどこも完全予約制なのですが、幸いいつもお世話になっている家庭医は予約なしに受診できる時間帯を設けているので、その時間に行くことにしました。待つこと2時間、ようやく受診できました。予想したと

ドイツ予防接種事情

成人してから予防接種を受けたことがありますか。 私は大学入学以降予防接種を受けたことが一回もありません。もしかしたら、インフルエンザの予防接種に至るまで、義務教育終了後から一切受けていないかもしれません。そもそもいつ最後に予防接種を受けたか記憶にないのです。それでも中学以来インフルエンザに罹患することは一度もなく、いつも「だいたい、インフルエンザの予防接種なんて、宝くじみたいなもんでしょ。たまたま当たれば効くけれど、外れれば注射打たれ損」と大口を叩いていました。ですから、ド