出汁、そして鍋物
前回、出汁はチートだと書きました。
旨味の暴力なので、料理に使う場合は飲み込まれないよう注意が必要だと思ってます。
特に鍋物なんか、合わせ出汁でいけるのは何色にも染まりながら負けない豆腐か、単純に強い肉ぐらいでしょう。あとなんでも入れちゃう寄せ鍋とか。
魚メインの鍋は、昆布出汁だけのちり鍋スタイルでないとキャラの強い鰹出汁に負けます。鱈ちり、鯛ちりなど、地味だけど理由があるんです。ついでに言うとポン酢も鰹出汁が強いので、柑橘果汁に醤油とかがいいですね。
そうそう、美味しいと言われている魚の鍋といえば、西のふぐに東のあんこう、そしてクエ、魚じゃないけどすっぽん、あたりですか。全てに共通するのはゼラチン、コラーゲンの豊富さです。食材からの風味とともに、液体ながらこっくりとしたテクスチャーが出るんですね。どれも残ったスープで作る最後の雑炊は至福です。
コラーゲンが欲しいなら魚の骨でスープ取ればいいんです。なので、丸々一尾卸してアラから綺麗なスープを取って鍋にすれば、無駄も出ないし魚の味が被ったりしない、自然で美味しい鍋になります。魚の身からコラーゲンを出す必要もないので、しゃぶしゃぶとかでも美味しくいけますね。
スープとる前に霜降りにするか焼くかしますが、霜降りだと潮汁風でサッパリ系、こんがり焼いてスープを取るのはフレンチの技法で、香ばしさが出てより複雑な香りになります。
スープの取り方も、色々試してみると楽しいですよ。
そういえば、鍋じゃないけど出汁のパンチを全て受けるだけのサンドバッグ的な料理もあります。それはおでん!美味しいですよねー。
材料を全部下茹でして、雑味はもちろん香りと歯応えも抜いてスカスカにしたところに、チート食材の出汁が染み込む料理です。まさに食べるお出汁。この冬何度作ったことか...
私のおでんは、初回はがんもとお揚げさんと厚揚げがメインです。全部豆腐揚げたやつ。あとはごぼう天、魚のすじ、あれば魚河岸揚げぐらいですかね。野菜は大根、人参、舞茸。出汁の邪魔にならないよう、それぞれしっかり茹でて油抜きします。
2日目から練物増やして、3~4日目にソーセージとかジャガイモで締めます。
最初にも書きましたが、豆腐って出汁に染まりながらも、個性は失わないんですよ(個人的な意見です)。
次回は豆腐について、思う事書いてみます。
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