「資本主義の光と影」スタディツアー・レポートvol.1 国立ハンセン病療養所・大島青松園と直島の美術館
2022年5月1日、京都大学 人と社会の未来研究院は「社会的共通資本と未来」寄附研究部門(以下、本研究部門)を創設しました。本研究部門の目的は、経済成長に関する先駆的な研究で世界的な業績を挙げた、日本を代表する経済学者・宇沢弘文(うざわ・ひろふみ、1928〜2014)が提唱した「社会的共通資本」の理念を継承・発展させること。社会的共通資本の理念を気候変動や格差拡大など現代社会の課題解決につなげ、学問分野の垣根を越えてさまざまな社会的セクターと連携し、未来に向けた社会的インパクトの創出を図ることをミッションとしています。
2023年4月14日から17日には、宇沢の長女であり本研究部門の発起人で、今回のツアーを企画担当した宇沢国際学館代表取締役の占部まりさん、本寄附研究部門の特定教授で、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)リサーチディレクターの舩橋真俊さん、独立研究者の森田真生さんらとともに、スタディ・ツアー「資本主義の光と影」を開催。ベネッセアートサイト直島(以下、BASN)が活動している直島、豊島、瀬戸内国際芸術祭の会場である大島をめぐり、最終日にはフォーラム(ハイブリッド開催)が開かれました。BASNは、格差の拡大と弱者へのしわ寄せを生む、資本主義の“影”の部分にアートという手法で光を当て、未来への希望を生み出しています。
これから、3本の記事でスタディ・ツアーの様子を抜粋してレポート。本記事ではまず、ツアーの背景となる本研究部門とBASNについて紹介したのち、1日目に訪れた大島青松園と直島のアートサイトについてお伝えします。
今、ふたたび脚光を浴びる「社会的共通資本」とは
ベネッセアートサイト直島の取り組み
国立ハンセン病療養所「大島青松園」へ
ジオラマ模型に再現された入所者の暮らし
なぜ、この島でアートなのか?
BASNはじまりの地・直島へ
※記事全文は以下をご覧ください。