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【コルトレーンと私】あるいは30年間の私の時間が生成AIに一瞬で破壊されちまった衝撃の日

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ぎゃああああああ!!

、、、と、いきなり悲鳴をあげてスイマセン

でも、今、スマホで何ともなしにChatGPTを開いて話をしてたら、

とつぜん、私の30年くらいの長年の悩みが、一瞬で解決されてしまったのです。こいつあ事件だ

嬉しいといえば、嬉しいが、

「私の人生でかけてきた時間て、、、AIに一瞬で要約されちまう程度のものなの?」っていう衝撃があり

で、AIと、何の話をしていたかというと

音楽の話なんです

実は私、SF好き&数学好きであると同時に

なかなかの音楽史マニアでもあります。最近のnoteもことあるごとにモーツァルトに言及していたのもそういう背景

クラシックから、民族音楽から、ロックからジャズから、いろんなジャンルの、いろんな時代の音楽を聴くのが好きで、10代の頃からすでに30年くらい、音楽趣味人を続けています、そんな私、

ジョン・コルトレーンというジャズ奏者がとても好きなのですが、

ひとつ、長年の悩みがありまして、、、コルトレーンの演奏するジャズというのは理論的には「モードジャズ」というスタイルを「かなり極限までアバンギャルドに展開した」って説明されることがしばしばなのですが、

この意味が、わからなかったのです

これを、音楽好きな友人とかに聴いても、本を読んでも、あるいはネットで調べても、

モードってのは、コードではなくて、スケールを中心に演奏するジャズのことだよ。そしてジョン・コルトレーンは、そのモードジャズを開拓しているうちに、ほとんどフリー演奏のような、自由自在なアバンギャルドな音階を使える境地に行ったんだ」と、なんだか、わかるようなわからないような説明をいつもされてきて、、、最後のお決まりは、「まあ、黙ってコルトレーンの演奏を聴け!」となるのが、この30年来の、常でした

ところが本日

たしか、何か直接コルトレーンとは関係のない音楽についての質問をchatGPTにしているうちに、ふと、私が思いつきで、

「コルトレーンはモードジャズを極限まで推し進めたと言われていますが、音楽理論的にはどういうことですか?」と訊いてみたら、、、

chatGPTのやつ、「いい質問ですね!」の前置きをおいてから、

素晴らしい説明をしてくれたのです

「ジョン・コルトレーンが、映画『サウンドオブミュージック』の中の曲として有名な、『マイフェイバリットシングス』という有名なミュージカル曲をカバーしているアルバムがあります。それを聴くと、コルトレーンがやっていたことがわかりやすいです」

「まずは、映画『サウンドオブミュージック』のサントラの『マイフェイバリットシングス』と、コルトレーンがカバーした『マイフェイバリットシングス』を聴き比べてください!オリジナルのミュージカル曲は、オーソドックスなコード進行に乗った、なじみなすい曲なのに、コルトレーンのカバーは、ピアノやベースがあまりコードを弾いておらず、それぞれがメロディを掛け合っているような、互いにアドリブのメロディを応酬しているような感じがしませんか?」

「それでいて、音がぶつかっていませんよね?実はこれは事前の取り決めで、Eドリアンモードという考え方に基づく音を多く使ってアドリブを入れ合おうと決めてるからです。ちなみにEドリアンというのは、E F# G A B C# Dの七音のことです

「試しに、もし、楽器があるなら、コルトレーンの『マイフェイバリットシングス』をかけながら、あなたもE F# G A B C# Dの七音を、Eを主役となるように多めに使いつつ、いろいろ、弾いてみてください。上手い下手はともかく、なんとなく、合ってきますよね?それがモードの基本です」

「そしてよくこの演奏を聴くと、ピアノとベースはとても律儀に、この7音だけを使って安定した演奏をしている中で、コルトレーンだけはものすごい速さでサックスを吹いているから、七音以外の音がたまに入っても不協和音ではなく、格好いいアバンギャルドな響に聞こえますよね?これが、コルトレーンがモードジャズを継承しつつ、その理論的な制約からフリーになる演奏方法を編み出した、ということの理論的説明です」

、、、

なんてこった、、、

chatGPTの言う通りに、『マイフェイバリットシングス』を聴きながら、子供部屋から子供用の電子キーボードを持ち出して、私も言われた通りの鍵盤でいろいろ弾いてみたら、、、なんとなく、私も(ヘタクソではあれど)なんとなーく「コルトレーンチームがいかにも弾きそうな」ムードのメロディがアドリブでポンと出てきた

、、、

すっげえ、、、わかりやすい、、、

初めて、すっきりと納得できる説明を聞けた、、、

ていうか、、、

30年間いろんな人に聞いても、腑に落ちない説明しかもらえなかったこの問題が、「音楽を聴くのは好きだが楽器の演奏はできない」私なんぞにも、体感で、とてもよく、理解できたとは、、、

嬉しいけど、、、

やばいですよね、AIて、、、

今の生成AIでもじゅうぶん、「すでに世の中に情報があることを、シロウトにわかりやすく、砕いて説明する」ことにかけては、人間の教師にはかなわない精度になってきてないですか?!

それが数学とか情報工学の話ならわかるのだが、まさか、なにかと神秘化されがちなコルトレーンの音楽をわかりやすく解説するという、アートの勉強で食らうとは、、、率直に衝撃でした

たぶん、こういうことに関しては、そろそろ人間はAIには勝てない

勝てないから、悲しい、というハナシではなく、

「こういうことは人間よりもAIのほうが得意なのか、、、なら僕たち人間は、AIが得意なこととは別なことを勉強することに時間を割り振ろう」と前向きにとらえるしか、ないですわな

僕たち人間にもできることって、何かって?

今日のコルトレーンの話でも、実は、二つ、ありますね

ひとつめは、AIは「こういう練習をすると、よりコルトレーンが体感できるぞ」と言ってきたが、その「体感」は、結局は人間が自分で「やってみる」プロセスを前提にしてること。AIが出してきた「知識」を「現実のアクションに採用するかしないか」は人間に委ねられてます(生成AIという奴の成り立ちからしてここは当たり前ではありますが)

もうひとつは、、、より重要ですが、

先ほどは詳細を語りませんでしたが、今回のChatGPTの回答には深刻な弱点もありました:「コルトレーンの演奏にしばしば参加し、その後はウェイン・ショーターのアダムズアップルに加わってさらに活躍したベーシストとしてはロン・カーターがいますが」みたいに、ロン・カーターが、ロン・カーターが、、、としつこく言うのですが、

これは、私に音楽史の知識があるのですぐ気づいた、、、コルトレーンの下で研鑽し、ウェイン・ショーターのアダムズアップルで覚醒したベーシストって、もしかして、レジー・ワークマンのことを言いたいのでは?

ここが気になってChatGPTにもいろいろ追加質問をしてみてますますわかったのですが、、、どうも、どういうわけだか、chatGPTはレジー・ワークマンとロン・カーターを同一人物と混同してるようなのです!どーしてそうなった??どちらも偉大なベーシストだが、スタイルはぜんっぜん違いますよw。この二人を混同してるって、ジャズベース好きからは、たぶん激怒されるぜ?w

こういう、「とつぜんさりげなく誤情報をぶっ込んでくる」ところがあるから、まだまだ生成AIのいうことは、人間がチェックしなきゃいけないですね。ただ、、、数年後はここも、どうなるかわからんが

結論、

人間のやることは、まだ残ってるが、

いっぽう最近のAIは、なるほどすさまじく、進歩が凄い、

AIを過度に信じ切ることはせず、人間のやるべき判断の仕事に集中し、、、しかし、これからの数年間、AIがどんな進化を始めても驚かないように、覚悟を固めましょう、

とりわけ「本来は専門家でないとわからないはずのことをやさしく砕いて教えてくれる」という点では最近、AIの成長が著しい。ここにおいてはAIは、たしかに、とても、使える、、、が、ファクトチェックだけは、まだ、人間が自分の手と頭で、やりましょう。レジー・ワークマンとロン・カーターの混同くらいならまだ笑い話だが、AIがもっと深刻な間違いをしてきた場合とかを考えると、、、見た目は、論理的に自信たっぷりに話してくるから、怖い


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