バナナをめぐる奇妙な物語004:「サッちゃん」には呪われているところは特にない
バナナをめぐる怪談となると、私の世代にとってはドンピシャで流行ったのが、「サッちゃんはね、バナナがだいすき」には呪われた「4番」がある、という都市伝説。
ちょうど自分が子供の頃に流行した都市伝説なので、私も被害を食らってる。だって、これは本当に怖かったもの!
怖かったのだけど、、、
大人になってからこういう怪談な世界に興味を持ち、さんざん確認して、わかったこと。この童謡は阪田寛夫さんという有名な詩人の方が渾身の作詞を行ったものであり、別に呪われている由縁などひとつもない。というか作詞家ご本人が「一言一句たりとも変える必要がない」と自負するほどの会心の自信作だったとのことなので、いくらサブカルの怪談界隈でも、勝手に呪われた歌にしてしまうのはクリエイターにはたいへんなご迷惑であるw。
というわけで、
子供の頃にこの都市伝説にビビらされた人は、早々に安心して、本来の「かわいくせつない」サッちゃんの歌の陰影をあらためて楽しんでほしい。
、、、ところで、作詞家の阪田寛夫については以下のような本が出ているが、どうやらこの詩人ご本人のキャラクターがいちばんエキセントリックで、へたな都市伝説なんかより、ハナシとしては面白かったりする。いちばん怖いのも人間、いちばん面白いのも人間、いちばん不可思議なのも結局は人間だ。
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本記事は、以前に公開した「お題『バナナ』で呟怖をください」という企画から派生した「バナナを巡るハナシを世界から集めてこよう!」という試みの一つとなります。↓
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