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いくらなんでもふざけすぎてるぞ!(※褒め言葉)『ドラキュラ城の血闘』!

ふざけてます。いやふざけすぎてます。

というのは、褒め言葉です。ハイ。

普通のゲームブックに満足できなくなったとき。

そういう方は、ハービー・ブレナン先生の懐に飛び込むことが絶対的にオススメです。

・・・と偉そうに言っている私ですが、この年齢になってようやく本作を「初体験」したばかりだったりします。

初体験の感想としては、

いやはや。ウワサには聞いていましたが、想像以上の、ふざけっぷり。

一見、オオマジメなアドベンチャーゲームブックなのですが、

ドラキュラ退治に出かける仲間たちはそれぞれエキセントリックすぎてイラつく連中だし、

探検するダンジョンには、これまたエキセントリックなモンスターたちが待ち受ける。

パロディだらけのノリなので、そういうユーモア系ゲームブックかとなめてかかると、なかなか本気で道に迷うし、凶悪極まりない即死トラップが不意打ちのように仕掛けられているので油断ならない

ですが!

本作の最大の魅力は、吸血鬼にやられてから!

なんと、その場合はゲームオーバーにはならず、敵の部下の吸血鬼となって、かつての仲間たちを襲う側に回るのです!吸血鬼になった途端、一人称の文章も「喉が渇いた、血が欲しい!赤い血を!」と、ノリノリのモンスターの一人称文体になるので楽しい。

そして本作、この「吸血鬼にやられた場合はゲームオーバーにならず裏面に入る」という独特の構造がとても重要です。というのも、吸血鬼状態の時にしか入れない部屋に重要なアイテムがあったりするので、人間状態と吸血鬼状態をうまく行ったり来たりしなければならない。これがなかなか深い!

まったく同じ迷路の中なのに、

人間状態で歩く時と吸血鬼状態で歩く時とで、

入れる場所や起こるイベントが変わってくるという面白さ!

この二重構造のゲーム構成を反映して、エンディングも表裏二種類用意されているのですが、案の定、どちらをとっても素直なハッピーエンドではなく、主人公の未来には暗雲が立ち込めて終わるのでした。黒いなあ。。。

ふざけすぎてる、けど、やはり先生の書くゲームブックはめちゃくちゃ面白いですよ、ハービー・ブレナン先生!


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