アサーティブに伝えるということ その5
伝えるということは、自分を認めるということ
伝えにくいことを、どうしても伝えなければならない場面があります。勇気を振り絞って、言葉にしなくてはいけないときがあります。けれど、人は心が満たされず、心の温度が低いと、ほんの小さな一歩でさえ、踏み出すのが難しく感じてしまうことがあります。伝わらないもどかしさや不安から、つい感情をぶつけてしまうこともあるでしょう。
一方で、心が満たされているときは「これなら伝えられるかもしれない」と思い切って話してみようという気持ちが生まれます。感情に流されず、穏やかに、何度でも伝えようとする勇気が湧いてきます。
誰かに「わかってもらえた」と感じると、人は心が軽くなります。「応援してもらえている」「認められている」と感じたとき、人は自然と心が温まり、大きな勇気が生まれるものです。「これでいいんだ」という安心感が心に広がります。
そして、その「誰か」は、必ずしも他人である必要はありません。あなたを支え、応援し、見守っている一番の存在は、他でもない自分自身であってほしいのです。自分の良いところを知り、「それでいいよ」と自分に言えるようになれたなら、きっと少しずつ心が満たされていくでしょう。
けれど、自己否定が強いと「自分を認める」ことは簡単ではありませんよね。「どうせ私は…」という言葉が、無意識に心の中にわいてしまうこともあるでしょう。「この程度では足りない」「もっと頑張らなければ」と自分を責め続けると、何かを伝えることさえ「どうせ伝わらない」と感じてしまうかもしれません。
でも、たとえうまく伝えられなかったとしても、その事実だけで「自分には価値がない」と決めつけてしまうのは、とてももったいないことです。自分を受け入れられないと「もっとできる自分でなければ認められない」「このままでは不十分」と思いがちですが、実はもうすでに十分に頑張っているのかもしれません。
「伝える」という行為の根底には、「自分を受け入れる」というあり方が必要です。
そのあり方が整い、自分を信頼できるようになれば、少しずつでも「伝えてみよう」「踏み出してみよう」と感じることができるはずです。
どんな自分であっても、まずは自分自身が受け入れ、「これでいいんだ」と思えるようになれたら、きっと一歩を踏み出す勇気が自然と湧いてくるはずです。
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