アサーティブに伝えるということ その8
伝えるということは、小さな冒険をするということ。
この「伝えるということ」シリーズもいよいよ最終回です。今までお伝えしてきた内容は、約10年前に書き始めたものを、繰り返しリライトしてきたものです。少しずつ見直しながら今日まで続けてきましたが、10年経った今でも、このテーマに対する思いは変わりません。
私がコーチングやアサーションを学び始めたのは、16、7年ほど前のことです。当時、周りの方に「私ってどんな印象ですか?」と尋ねてみると、「かたい」「こわい」「つまらない」という言葉が返ってきました。正直、自覚はしていましたし、それが学びを始めるきっかけにもなりました。
当時の私は、伝えることが本当に苦手でした。頭の中で考えていることを相手にうまく伝えられず、自己開示もできないままでした。そんな私が最初に踏み出した「冒険」は、知らない人たちの輪に自ら入っていくこと。たとえば、セミナーに参加するような場面です。新しい場に一歩踏み出すのは本当に苦痛でした。
それでも小さな冒険を重ねながら、学びを続けていくうちに、違いを受け入れること、自分に問いかけること、そして相手の気持ちを汲み取ることなど、少しずつ学びが身についていきました。こうして少しずつ「伝える」ことができるようになると、自然と笑顔が生まれ、以前より自分のことが好きになっていくのがわかりました。そして、伝えることへの苦手意識も徐々に薄れていきました。
今回のシリーズで一番伝えたかったのは、まさにこのことです。どんなに小さなことでも、挑戦してみることで少しずつ変われるということ。
あるとき、心の不安を解消する講座に参加しました。参加者はほとんどが女性で、20名近くいる中で男性は私ひとり。「覚悟して来たはずなのに帰ろうか…」と何度も心が揺れました。講座の最後には、参加者同士でハグをするという、私にとっては超ハードルの高い課題が待っていました。でも、なんとかこの「最大の試練」をクリアできました!(笑)
この経験がどれだけ感慨深かったかは、私にしかわからないかもしれませんが、「やっとここまで来たか」と感じた瞬間でした。昔、今よりはるかに自己肯定感が低かった私は「こんな自分とハグするなんて嫌がられるに違いない」と思い込んでいました。でも、小さな冒険を重ねるうちに、そのような思い込みも少しずつ緩んでいったのです。
まだまだ緩める余地はありますが、そんな自分をこれからも少しずつ変えていけることが楽しみです。人はいつでも「変わろう」と思ったその瞬間から変われるものです。そして、その「変わろう」とは、違う自分になろうとすることではなく、今の自分をそのまま受け入れることなのだと思っています。
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