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なぜすれ違うのか? 価値観の違いを知ることが、関係を改善する第一歩

先日、知人が主催してくれた出版記念ワークショップに登壇しました。午前のテーマは、「価値観の異なる人とうまくコミュニケーションを取るコツ」 でした。

私たちは日々、さまざまな価値観を持つ人と関わっています。しかし、無意識のうちに「自分の価値観こそが普通(当たり前)」と考えてしまい、それと異なる言動をする相手に違和感やストレスを感じることがあります。

たとえば、「どうしてこの人はこうしないんだろう?」とモヤモヤしたことはありませんか? その違和感の正体は、お互いが大切にしている価値観のズレなのです。

クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)の資質は、その人が何を大切にしているかも表しています。異なる価値観を持つと、同じ出来事に対する捉え方がまったく変わり、すれ違いが生じやすくなります。

例えばAさんは「個別化」が上位で、Bさんは「公平性」が上位だとします。Aさんは、「一人ひとりの違いを尊重し、それに合った対応をすること」 を大切にしています。一方、Bさんは、「全員に同じ基準を適用すること」 を重視しています。

あるとき、チームの業務分担を決める場面で、Aさんは「得意なことや負担を考慮して、役割を調整したほうがいい」と提案しました。しかし、Bさんは「全員が同じ基準で業務を分担しないと不公平になる」と主張しました。

Aさんにとって、「みんな違うのだから、それぞれに合った形でサポートすること」が大事。
Bさんにとって、「ルールを統一することで、誰もが平等に扱われること」が大事。

どちらも「チームのためにベストを尽くしたい」と思っているのに、お互いの価値観が違うために、意見が食い違ってしまうのです。

こうしたすれ違いを減らすために大切なのは、まず自分の価値観を明確に意識すること です。

なぜなら、「自分が何を大切にしているのか」を知らないと、相手との違いに気づいたときに、無意識のうちに「相手が間違っている」と感じてしまうからです。

たとえば、Aさんが「私は個別対応を大事にしている」と自覚できていれば、Bさんの公平性を「融通が利かない」と否定するのではなく、Bさんは自分とは異なる価値観を持っていて「この人にとっては、ルールを統一することが安心につながるんだな」と受け止めることができるようになります。

また、自分の価値観を満たせていると、他者の価値観を受け入れる余裕が生まれます。

Aさんが、「私は個別対応の良さを信じているから、自分ができる範囲でそれを実践しよう」と思えれば、Bさんの「公平であるべき」という価値観を無理に変えようとする必要がなくなります。

逆に、自分の価値観に無自覚なままだと、「なんでこの人は私の考えをわかってくれないの?」という苛立ちが増え、相手を否定する気持ちが強くなってしまいます。

つまり、「自分の価値観を理解し、大切にできると、相手の価値観も“違うもの”として受け止められるようになるし、大切に思える」のです。

価値観の違いは、衝突を生むこともあります。でも、それを理解し合うことで、お互いの強みを活かせる関係にもなれるのです。

次回は、このテーマをさらに深掘りしていきます。


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ちしき
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