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自分の強みを知ることで見えてくる"居場所"
連日、クリフトンストレングス®(ストレングス・ファインダー®)の研修を実施する中で、多くの方とお話をする機会があります。その中で改めて感じるのは、「自分の特性や思考のクセを、好ましくないものと捉えてしまっている人が少なくない」ということです。
「私は慎重すぎるから、なかなか決断ができなくて…」 「人に合わせすぎてしまって、自分の意見が持てないんです」 「考えすぎて行動に移せないのがダメなんですよね」
こうした言葉を耳にするたびに、私は「本当にそうでしょうか?」と問いかけたくなります。
それぞれに異なる強みがある
クリフトンストレングス®(ストレングス・ファインダー®)は、私たち一人ひとりに異なる強みがあることを教えてくれます。たとえば、「慎重さ」がある人は、リスクをしっかり考えた上で行動できる力を持っています。しかし、「優柔不断で決められない」と感じてしまうこともあります。「調和性」が高い人は、周囲との関係を大切にし、良好なチームワークを築く力を持っていますが、「自分の意見を押し通せず、周りに流されてしまう」と思うこともあります。「内省」が強い人は、物事を深く掘り下げて本質を理解しようとする力がありますが、「考えすぎてしまい、行動に移せない」と悩むこともあります。これらはすべて、適切に活かせば大きな価値を生む才能なのです。
けれど、日常の中では「こうあるべき」「こうしなければならない」という社会の枠に当てはめてしまい、自分の特性を短所のように感じてしまうことが多いのかもしれません。
強みを知ることは、自分の"居場所"を知ること
クリフトンストレングス®(ストレングス・ファインダー®)は、ただ「あなたはこういう強みがありますよ」と伝えるだけのツールではありません。それは同時に、「あなたには、あなたなりの生かし方があり、必ず必要とされる場所がある」ということを示してくれるものでもあります。
「慎重さ」がある人は、リスクを見極める視点を持つことで、組織の安全を守る役割を果たすかもしれません。「調和性」が高い人は、チームの雰囲気を整え、関係性を円滑にするかもしれません。「内省」が強い人は、じっくり考えることで深い洞察を得て、問題の根本原因を探る役割を果たすかもしれません。
自分の強みを受け入れることは、「自分がいていい場所はどこなのか」を知ることにつながります。そして、「ここにいていいんだ」と感じる安堵感が、過度な自己否定を和らげ、自己肯定感を育んでいくのです。
自己肯定がもたらす前向きな変化
自己肯定できると、「自分はこういう特性を持っているんだから、こういうふうに活かしていこう」と前向きな視点を持てるようになります。「変わらなければならない」と思っていたものが、「自分らしく活かす方法を探してみよう」に変わると、行動の幅も広がっていきます。
「私は決断が遅いのではなく、『慎重さ』を活かしているだけだから、大事な決定をするときにこそこの力を発揮しよう」 「私は意見を主張するのが苦手なのではなく、『調和性』を活かして、みんなの意見をまとめるのが得意だから、そこを強みとして使おう」 「私は考えすぎるのではなく、『内省』を活かして、物事の本質を見極めることができるのだから、それを深く分析する場面で役立てよう」
こうした視点の変化が、日々の行動に前向きなエネルギーをもたらしてくれるのです。
まとめ
私たちはつい、「足りないもの」に目を向けがちです。でも、クリフトンストレングス®(ストレングス・ファインダー®)を通じて「すでに持っているもの」に気づくことができれば、自己否定のループから抜け出し、自分らしい生き方へと一歩を踏み出せるようになります。
あなたが「これは自分の弱みだ」と思っていることも、見方を変えれば、誰かにとってはかけがえのない強みなのかもしれません。自分の特性を大切にしながら、「ここにいていいんだ」と思える居場所を見つけていきましょう。
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