介護度と簡単にいうけどもそこにはその人を取り巻く人生がある。
僕は老人ホームで働いている。
今日はタイトル通り真面目な介護の話。
長い間、ずっと同じ施設で働いているので新しいインプットが少ない。
今の施設にいれば役に立つけども、一歩外に出れば、介護職として頼りにはならないな…と感じているので、
いろんな考え方に触れたい、吸収したいと思い、施設内外問わず自分にできる範囲の挑戦をなるべくしようと思っている。
今は、施設のケアマネージャーの僕には直接関係ないんだけども、認定調査員の仕事をしてみたいと思ってゴソゴソ動いている。
認定調査員というのは、介護保険を使って介護サービスを受けるために、申請された方を直接訪問し、介護の手間がどれほどかかるのかを調査する方。
この方の調査結果と、主治医の意見書を元に、認定審査会で介護度(介護の手間の指標)が決まる。
僕に直接関係ないというのは、施設ケアマネの僕は自分の受け持ちの方を調査することはできない。
介護の手間の指標となる介護度を実際より重めにつける可能性があるため。単純に、入るお金が変わってしまうから。
僕が一番その方々の事を知っているので、僕が調査をした方がいいのに…なんて思うけども、まぁ仕方ない。僕みたいな(バカ)正直な人ばかりではない。
先ずは府の研修を受けて、各自治体に登録をして
講習を受けて、調査に同行して一人で調査に行くという流れのよう。
今日は厚労省が出されている、認定調査員向けの講習を受講した。
まずは理解度テストのようなものを行う。家のパソコンでやっているので、資料を見ながら(たぶんいいはず)解いて80点…見ながら80点って大丈夫なのか?でも割と難しい。
ずっと正しいものを選ぶのではなくて、時々間違いはどれか問う、ひっかけ問題みたいなものもあってちゃんとひっかかった。
テストを受けて感じたこと、一つは、「ひっかけ問題いる??」と。
…たぶん実際にご自宅に行って調査をする際は、思い込みにとらわれず観察聞き取りして調査を行う必要があるので、その訓練ということか…と勝手に納得しておく。
もう一つは、学ぶことで、「調査員さんは、結構な責任を持って調査に行かれるんだろうな。」ということ。
先に書いたけども、その調査員さんの調査の結果で、介護度が変わる。
サービスを提供する側からすると、入るお金が変わる。それも大きなことだけど、受ける側からすると、受けれるサービスの量が変わる。これは結構一大事で。この目線は施設ケアマネの僕は薄い。
(うちみたいな老人ホームは、要介護度が例えば1であろうが2であろうが、入居されている方の家に介護職がいることになるので、良くも悪くもすぐ手伝える。
会社という形なので、提供するサービスについて支払ってもらう金銭の比率は気にしないといけないから、ほんとはこの目線が薄いとダメなんだが。)
受けれるサービスの量、ここが居宅はかなりシビアになると思う。
例えばだけど、要介護度がひとつ変わると、デイサービスに行ける回数が週3回から2回に減ったりしてしまう。
数で言えば簡単だけど、その一回が減ることで、ご自宅に誰か介護者がいないといけなくなったりする。
【どうする?誰が仕事休む?】
【私はもう無理よ、今でさえ会社に無理言ってるんだから。】
【俺だっておんなじだよ。】
みたいな会話が始まる。
横でそれを聞いている要介護者のおばあちゃんが
どんどん小さくなっていく。
『私が生きてるから皆が喧嘩をする…』
と、あくまで想像だけど、こんなことが起こるはず。
かといって、あまりに極端に重い介護度をつけてあげる(?)わけにもいかない。公平性が失われるので。
ものすごく…難しい仕事だな。と。
見る視点が変わったら、こうも違うんだな…とすでに行く前から真髄を得てしまったような気でいる。
違う質のインプットは、やっぱり大事。
ただ…責任が重すぎて、資格もない今から調査にいくのが怖くなってしまった。
現認の調査員の皆さん、お疲れ様です。