普段が大事
僕は老人ホームで働いている。
うちの老人ホームは個室なので、
それぞれの部屋にエアコンが付いている。
この暑さなので、
お部屋でいる時は冷房をつける。
自分でエアコンの操作ができない人は
こちらで援助の折に注意して、
部屋が暑かったらつけさせてもらう。
つけっぱなしにさせてもらう方が多い。
自分で付けれる人の方が、
冷房嫌いの方などがいて、
付けようとしないので困ったりする。
先日、僕の休みの日、
ある入居者さんにご飯の声かけに行ったら、
エアコンが切れており、
部屋が暑くなっていた、ということがあった。
微熱があり、夕食の進みも悪く、
熱中症か?脱水になってしまっているか?
など心配になる様子だったらしい。
次の出勤の際、そのお話を聞いたので、
すぐその入居者さんの部屋に行く。
もういつものその方で、
ご飯も取れるし、変わりない様子に安心した。
皆が言う。
『最近入社のあの人に違いない。』
『だって前も失敗してたし。』
逆に、皆んながそう言ってくれてよかった。
皆のその言葉に違和感を感じることができたから。
というのもその入居者さん、
もともと食事量には波があって、
疾患によって言葉も出にくい。
自分の状態をうまく伝えれる方ではない。
暑くても布団を首までかぶる癖があるので、
こもり熱が出やすい。
僕は休みだったし、
その、最近入社の職員さんと同じぐらい、
他の職員さんも(なんなら僕も)
なんらかの失敗をするを心得ているので、
そこまで先入観なく、
その入居者さんをみることができた。
その方は、
外部の訪問サービスを利用いただいている。
ふと訪問記録を見ると、
『本人が寒いと言ったのでエアコンを消した』と
バッチリ記録が。
時間にして、食事の声かけに行く30分ほど前。
エアコン切って30分、
もちろん一概には言えないけども、
そこまで気になる時間ではないかな…、と。
食事量低下は、
普段の波が出たのと、
微熱はこもり熱、
その後しっかり食事水分取れているなら、
そのまま様子をみよう、となった。
新人職員さんは
疑われただけ、ということになる。
(ここちょっと気になるところなんで、
また後日文章にします)
僕が気づいたからすごい、とかじゃ無くて、
これが先入観の怖さ。
僕もその場にいてたらそうなってしまったのかもしれない。
【失敗が続いているから、この失敗もあの人に違いない。】
【部屋が暑かったから、熱は熱中症からに違いない。】
【食事をとってくれないのは、体調不良だからに違いない】
もう、その目で見てしまったら
そうにしか見えない。
直近で僕が対処したのは、
訪問の方にエアコン調整と、
記録+職員へ直接伝えてもらうようお願い。
長期的な対応としては、
職員さんへ、
先に決めつけてしまうとその方向性でしか
考えられなくなるので、
広く考えて【改善策を出していこう】
とさせていただいた。
僕らの仕事は、
特に先入観、が怖い。
対人援助は、
直接その相手と近い距離感で接するので、
その背景が見えにくくなりがち。
そのことを常に頭に入れておかないと、
いろんなバイアスがかかって、
屈折した思考になってしまう。
普段から、
決めつけない。
いろんな方向性を考える。
これが大事だと思っている。