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”プロセスを紡ぎ続けることがプロセスそのもので、すべてのプロセスはコンテンツになっていく”というおはなし

去年の4月1日に初めて投稿したこのnoteの記事が今回で50回目を迎えました。

たくさん投稿すること、投稿を続けることが必ずしも正しさではないけれど”50回毎週アップする”という自分との約束を守れたことをまずは素直に喜んでいます。そして何より毎週自分の心と向き合って”だれかのおいかぜになる”ってことを、つまりは自分の会社のことを言語化できたことは、ボクや会社にとってとても有意義でした。

「辛い!もう書けない!」みたいなことを乗り越えてここまでやってきました、ってことはまったくなくって、割と楽しく書くことができました。ボクとしては特別難しい内容は書いていないつもりだし、毎回の記事に高いゴール設定は設けていないので、日記の延長くらいの、”だれかのおいかぜになる”ってキーワードにフォーカスして、その中心と周辺の思考についてツラツラと書いてみた、そんな感じです。50回の投稿を見比べたとき、たぶん同じような内容を書いていることもある、というか似たようなことしか書いていないかもしれない、それでも50回書いているとボクに底通しているコアのようなものが垣間見えて、それなりに新しい発見がありました。

ウェブサイトをつくるお仕事を生業にしている立場上、コンテンツ発信の重要性を日々お客様に唱えて歩いて回っているようなところがあるのですが、実は自分自身でこれだけコンスタントに、しかも1年近くも情報発信をし続けたのは初めてかもしれません。毎回3000字程度の結論も定まっていないような内容ばかりでも、これだけの塊になると、お客さんに”情報発信って大変だけど意味がありますよ!”って言えるようになったんじゃないかなって思っています。

ボクがこの50回の連載でおいかぜの上位概念について3つほど言語化することができたと思っています。この3つの言語化によって、ボクが実現したい会社のかたち、ボクたちに課題をぶつけたり依頼をくださるみなさんに何を提供しようとしているのか、ということが明確になりました。もしこの言語化がなされていなかったとしても事業は継続していただろうし、プロダクションやプラットフォームソリューションのお仕事の内容としてはそれほど大きくは変わらなかったかもしれないけれど、ボクたちの意識の持ち方は随分変わったと思っています。その3つの言語化について少しお話しをして、この50回の連載の結びにできればと思っています。

1、”だれかのおいかぜになる”と”3つの事業部”を繋いだ”はたらくをデザインする”という思考

ボクたちの”だれかのおいかぜになる”というステートメント。このステートメントは創業間もないことからずっと使っている大切な言葉です。

株式会社おいかぜは
ウェブデザイン
プラットフォームソリューション
グラフィックデザインで
みんなのおいかぜになります。

ぐいぐい引っ張るでなく、横に寄り添うでなく、
おいかぜになる。

それが株式会社おいかぜです。

私たちはいつも誰かのおいかぜになることを考えています。
お客様やお仕事で関係する方々はもちろんのこと、
スタッフ同士や家族や友達。
誰かにとってのおいかぜになれるように。

そんなことを私たちが考えれば世の中はもっと
幸せになると思っています。
それがお仕事になればこんなに楽しくて
素敵なことはないと思っています。

だれかのおいかぜになる

ビジネスだけでなくあらゆることで風らしく
フレキシブルに愉快なおいかぜに。

”だれかのおいかぜになる”ってとても良い言葉なんだけれど、とても抽象度が高い。”ビジネスだけでなくあらゆることで風らしくフレキシブルに愉快なおいかぜに。”なんて言っているところからもわかっていただけると思います。

じゃあ具体的にどうやって”だれかのおいかぜになる”?って考えたとき、ボクはいままで”プロダクションとプラットフォームソリューションのお仕事でおいかぜになろう!”ってスタッフのみんなに話してきました。具体的にプロダクションとプラットフォームソリューションという、ボクたちのメイン事業でおいかぜになるって言っているわけだから何もおかしくないのですが、ボクはずっとしっくりきていなかった。”だれかのおいかぜになる”の次に来る言葉が他に何かあるんじゃないか、と思っていました。

そして2年前くらいにボクの個人的な取り組みとして立ち上げた”はたらくデザイン事業部”。世の中の経営者たちが新しい事業やプロジェクトにチャレンジするときに陥る社内のスタッフとの軋轢みたいなことを、まぁたくさん目の当たりにしてきて、ボクだからこそお手伝いできることがあるんじゃないかと思って始めた思考実験のような取り組みです。

その思考実験の過程で「もしかしておいかぜでやっている仕事ってすべて”はたらくをつくる・はたらくをデザインする”ことなんじゃないだろうか?」ということに気付きました。例えばプラットフォームソリューション事業部のITインフラ構築・運用・管理は多くの人の働くことに直結しています。今の時代、ネットワークやサーバインフラなしで働くことは不可能です。プロダクション事業部で考えたときもウェブサイトやECサイトの制作は情報を伝えることやモノを売るということの新しいチャネルをつくる、そこに関わる人の働くことに深く関わっています。例を挙げるとキリがないのですが、結論として”はたらくをデザインする”ってことが株式会社おいかぜの行動原理そのものなんじゃないだろうかというところに辿り着いたわけです。

その到達点で”はたらくデザイン事業部”を正式に事業部化することになりました。企画・営業とバックオフィス(総務・経理・労務)と業務改善チームと新規事業推進チームを一括りにした、バックオフィス的な視点の”会社をより良くしよう”という知見を、プロダクションとプラットフォームソリューション技術とデザインを使って、お客さまのブランディングや会社の仕組みや制度や文化をつくるお手伝いする事業部です。

”はたらくデザイン事業部”正式に事業部となり、3事業部という体制になったとき、それらの有機的な繋がりから見えた全体に串刺しとなった言葉が”はたらくをデザインする””だれかのおいかぜになる””おいかぜの3つの事業部”の架け橋となる”はたらくをデザインする”という言葉です。

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そしてまた”はたらくをデザインする”という架け橋の言葉は、”だれかのおいかぜになる”という理念と、おいかぜの自社プロジェクトを繋ぐ役割も果たしてくれています。例えば”こどものためのでざいんぷろじぇくと ワワワ”ワワワのコンセプトはおいかぜのクリエイティビティを活かして 「こどものあそび」や「こどものまなび」にフォーカスすること。他の企業さんとコラボレーションしてプロダクトをつくったりワークショップを実施しています。ボクたちおいかぜのプロダクションのお仕事はもちろんのこと、コラボレーションしている企業さんのお仕事のことを伝えたり実際に経験してもらうことをしている。つまりは子どもたちの未来の”はたらくをデザインする”ことにつながっているということなのです。

ボクたち株式会社おいかぜは、プロダクション事業部・プラットフォームソリューション事業部はたらくデザイン事業部はもちろんのこと、自社プロジェクトでも”はたらくをデザインする”ことで”だれかのおいかぜになる”企業体である、と言えるわけです。

2、”「働く場所の遍在化による、働く時間の細分化」についての思考”

noteを書き始めて1ヶ月くらいに書いたこの記事。

最初の緊急事態宣言真っ只中だったと思います。2年前くらいから感じていた場所と時間の相関関係と違和感みたいなことを初めてきちんと言語化したとき、この言葉はこれからしばらくボクの思考や行動に纏わりついてくるだろうなという予感がありました。”「働く場所の遍在化による、働く時間の細分化」についての思考”はインターネットの普及に伴って加速し、この1年くらいの社会情勢によって一気に自分たちのすぐ手元にやってきた感覚がある。

その思考はボクたちの暮らし方や働き方についての考え方を変えることを迫っています。多様化する働き方や暮らし方サイドからのボクたち経営者への挑戦状、つまり仕組みや制度を柔軟にしていくことに視点をシフトさせていかなければ時代に取り残される、人材が何よりも大事な会社組織として、働く人たちに選ばれない会社になっていく、ということを意味していると考えていました。

「でももしかしたら、それだけじゃないかもしれない。」

 ”「働く場所の遍在化による、働く時間の細分化」についての思考”について1年近くの間考え続けていたある日、ボクはそんな風に、この思考の別の意味に気付きました。

”これって情報発信をしたり、コンテンツをつくる立場でも取り入れるべき思考なのではないだろうか?”という気付きです。

現代に生きる人は、リアルの場はもちろんのこと、インターネット空間における様々なツール、媒体としてのSNSやウェブサイトを通して、あらゆる場所で、細切れな時間を使って情報を得ます。自分に置き換えれば簡単に気付きそうなことが、情報を発信する立場になったとき、この基本的な人の動きを捉えられていないことが多いような気がしています。

ボクはおいかぜの働き方の自由度を高く、そしてより良くしていくこと””ウェブサイト制作やコンテンツ・情報を発信する側の立場としての心構え”として”「働く場所の遍在化による、働く時間の細分化」についての思考”おいかぜの行動指針”に取り入れていく必要があると感じています。

つまりボクたちおいかぜ”「働く場所の遍在化による、働く時間の細分化」についての思考”を前提としながら”より良い働きと暮らし”を実現し、”「働く場所の遍在化による、働く時間の細分化」についての思考””ウェブサイト制作やコンテンツ・情報を発信する立場としての心構え”とする企業体でありたい、と思っているということです。

3、プロセスを紡ぎ続けることがプロセスそのもので、すべてのプロセスはコンテンツになっていく

「1、」と「2、」を読んでいただけたならば、続けること・言語化し続けることの大切さはご理解いただけるのではないかと思います。それだけではなくて、もう少し俯瞰したボク自身の気付きをお伝えして、ボクのnote連載の第1章を終わりたいと思います。

それは”結果や結論が無くってもプロセスを発信し続けることにこそ意味がある”ということです。

20年以上、ITやウェブサイト制作の現場にいて、いろんなお客さんとコミュニケーションをしてきて思ったこと、それは”もっと自分のやっていることのプロセスを発信していこう”ってことです。完成したかたちで発信していくこと、綺麗に整っていることを伝えていくことはもちろん大事だけれど、もっと荒削りでもいいからプロセスを発信していって良いんじゃないかってことです。

ウェブサイトでの情報発信って”きちんと整っているもの””結論至っている完成されたもの”をコンテンツしなければならないという意識が強い人が多いような気がします。もちろんそういうコンテンツを発信する場面も必要だけれど、もう少しフランクに発信していってもいいんじゃないかと思っています。インターネット聡明期には面白くてくだらない、くだらなくて面白いコンテンツや情報がたくさんあった、そしてそれを許し合えるような空気があった。

時代が変わってしまったと言ってしまえばそれまでなのですが、少なくともボクがウェブサイトをつくることやオープンソースの技術に惹かれた理由はそういう自由な空気だった気がしています。インターネット上での炎上リスクやトラブル回避についてはきちんと考える必要はあると思うけれど、もっと多くの人が自分の思考やプロセスを発信しやすいような、そしてそのプロセスを許容し合えるような空間になったらいいなって思ってます。

ボクたちおいかぜはそういう世界の実現のお手伝いをしていきたいって思っています。

そして人生ってずっとプロセスですよね。これで終わりって思っても何かが始まる。すべては通過点のうちの一つ。自分の人生を終えるときまでプロセスを続いていくんじゃないでしょうか。

この記事でも書いたとおりボクはこのnoteの連載の次の50回はスタッフのみんなにインタビューをして、その取材記事を書いてみようと思っています。なんのこっちゃわからない記事になるかもしれないけれど、そこから何かにつながっていくことがあるって信じています。

この50回の記事もかなり荒削りで、読み手のことを丁寧に考えた文章ではないなぁと改めて振り返って思うわけですが、でもこのプロセス自体に意味がある。

ボクのこのプロセス、この言語化は必ずおいかぜの血肉になります。もしこの荒削りなものを綺麗に整えることがあるとすれば、それはオフィシャルサイトのリニューアルとかそういう場面になるだろうなと想像しています。

そうやって柔らかなことを続けて、時折固めてみて、また柔らかことを続ける。それぞれがプロセスで、俯瞰してみればそのループすらプロセスである。そうやってトライアンドエラーすることにウェブサイトやインターネットテクノロジーは向いている、そろそろそんな当たり前のところに立ち返ってみてもいいんじゃないだろうかと思っています。

今日ここで出した柔らかいながらも結論めいたプロセスたちは、たぶん明日にはまた変わっていくような存在なんだと思います。だってプロセスだから。それは変わり続けること、進み続けること、風らしいフレキシブルで愉快なおいかぜそのものの話かもしれません。

”だれかのおいかぜになる”

今日も明日も明後日も、この言葉の解釈を続けながら、ボクは残りの人生のプロセスを紡ぎ続けていくんだと思っています。

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