”はたらくデザイン事業部をきちんと事業部にする”というおはなし
いきなり禅問答みたいなタイトルです。
事業部って名前が付いているのに”きちんと事業部にする”ってどういうこと?ってなりますよね。
おいかぜには”はたらくデザイン事業部”という取り組みがあります。経営者としてのボクが会社づくりで得た知見、いろいろな会社のお手伝いをしてきた経験を活かして、”良い会社づくり”のサポートができたらと思ってつくった自社プロジェクトです。
事業部と名付けたのは”事業部になるくらいうまく進めばいいな”というボクの願望から。”はたらくデザイン事業部”というボク1人の自社プロジェクトを立ち上げて2年、ようやくそのアウトラインが明らかになってきました。ボクはなにをするにも時間がかかっちゃうんです。たぶん頭の良い人なら立ち上げたとき、すぐに気付くようなこと、それをいまさら”きちんと事業部にする”なんて言うことになってしまうわけです。でもこれも必要なプロセスなんだと自分を納得させています。
”はたらくデザイン事業部”のコンセプトはこんな感じ。
経営者の視点で『はたらく』をデザインし、経営者や働く人たちの「おいかぜ」になる。それが「はたらくデザイン事業部」です。
もっと丁寧に説明すると、ボクがおいかぜを良い会社にするために得た知見や経験を、自分たちの会社のためだけではなく、お客さんや社会のために役立てようという取り組み。自分たちのために一所懸命やってきたことが社会の役に立って、みんなが働きがい・働きやすさを手に入れることができるなんて、素敵なことだなという想いなんです。
ボクがこの気付きを得たのは本業ではなく、自社プロジェクトをはじめたときでした。本業が軌道に乗って、何か新しいことにチャレンジをし始めた10周年以降、ボクはおいかぜのクリエイティビティを前面に出していくために、いくつかの社内プロジェクトに取り組みました。”oikazeごはん”・”OF PLANTS”・”こどものためのでざいんぷろじぇくと ワワワ”などなど。そういう自社プロジェクトからおいかぜを知ってくださった方もたくさんいらっしゃると思います。そういったプロジェクトを始めるとき、社内から少なからず賛成ではない反応がありました。「誰が担当するのか?通常業務との切り分けは?プロジェクトに投資するならもっと他のことに先に投資すべきでは?」すごく当然の反応で、ボクがスタッフだったら同じようなことを思うかもしれないような言葉ばかりでした。ボクにとってこれらの新しいプロジェクトは未来のおいかぜのためになると思ってポジティブな気持ちで始めました。でも立場が違えば見え方が違うのは当然です。スタッフの立場から見たときにネガティブに思う理由にはロジックがあるはずです。この立場の違う”どちらも正しい主張”を抱えながらボクはプロジェクトを進めていました。その過程で”はたらくデザイン”の2つのコアとなる考え方が言語化されました。
①はたらくデザイン事業部の思考
「はたらくデザイン事業部」の大事な考え方。それは会社には「既成概念の境界線」というものが存在し、意識すべき「内と外」が存在すること。「既成概念の境界線」の「内と外」を行き来することは、経営者はもちろんのこと、働く人たちにとっても、「はたらく」をデザインするために必要だと思っています。そして「既成概念の境界線」の「内と外」を知ることは、わたしたちの働き方をより良くする、また大きく変えていくと信じています。
②はたらくデザインが考える制度や仕組みづくりの大事な5つのポイント
「はたらくデザイン事業部」には制度や仕組みづくりをするうえで大事にしている5つのポイントがあります。働く人にとっては、仕事のモチベーションを維持するための大事な5段階の欲求、経営者にとっては、会社を支える制度・仕組みを考えるための5段階の構造として捉えています。
「①はたらくデザイン事業部の思考」は対外的な取り組みを行うときに必要な考え方、「②はたらくデザインが考える制度や仕組みづくりの大事な5つのポイント」は社内に対して取り組みを行うときに必要な考え方です。実は”はたらくデザイン事業部”はとてもシンプルな構造をしていて、経営者が経営をするうえで必要な対外的・対内的視座についての思考なのです。
そんな”はたらくデザイン事業部”にボクが2年向き合ってみた結果、やはりこれはおいかぜの一つの事業部であり、おいかぜの理念そのものだというところにたどり着きました。
ボクが第19期からスタートさせる”はたらくデザイン事業部”は企画・営業とバックオフィス(総務・労務・経理・業務改善)を一つの組織としたものです。他の会社だと経営企画室とか管理本部というような名前になるのかもしれません。でもボクたち株式会社おいかぜではそういう名前になりませんでした。”はたらくをデザインする”ための事業部です。
ボクは以前からバックオフィスは単なる下支えの役割だけではないと思っています。攻めのバックオフィスというのは違うし、かといって今まで通りのバックオフィスのイメージもしっくりこない。”はたらくをデザインする”事業部に含まれるバックオフィス、これだとなんだかしっくりきます。
ボクが構想する会社のアウトラインはこんな感じです。プロダクション事業部とプラットフォームソリューション事業部が両翼ならばはたらくデザイン事業部は骨格であり胴体のような存在。3つの事業部が有機的に関わり合い大きく羽ばたくようなイメージを持っています。
”だれかのおいかぜになる”ために”はたらくをデザインする”。そして”技術”と”デザイン”で課題を解決することで結実するクリエイションが、あらゆるはたらくをつくり・ささえる。これが株式会社おいかぜの理念です。
ボクらがITインフラを整えること、ウェブサイトやショッピングサイトをつくり・そだてること、それらはつまり”はたらくをデザインする”こと。ボクたちがつくり・そだてたものに関わる人たちがはたらくことを想像しながらボクたちは”だれかのおいかぜになる”ことを目指しています。
20周年まであと約2年。ようやくボクの、いや株式会社おいかぜの次の20年のアウトラインが見えてきました。きっと全てが思うようにはいかないとは思うけれど、いまこの胸の中に小さく灯った決意を伴ってがんばってみようと思っています。
よくスタッフに言うんです。ボクの唯一にして最大の功績は”株式会社おいかぜ”と命名したことだと。ほんとに”おいかぜ”って良い社名だと思います。
17年もかかってしまったけれど、その言葉を起点にボクはこれからも”だれかのおいかぜになる”を言語化する旅を続けるつもりです。
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