”おいかぜのディレクション業務をツーマンセルな仕組みにしていく”というおはなし
大寒波到来。
毎年1月10日はボクにとっての一大イベントがあります。1月10日は十日戎。まさにその日に京都ゑびす神社に毎年お参りしています。今年で18回目。ボクは偶然にも十日戎生まれで、自分で勝手に商売の神様がボクの味方でいてくれているって思い込んでいます。はい。思い込んでいます。
今年の十日戎は例年に比べて人が少なかった。外出自粛のこととか、もしかしたらこの異例の寒さも影響していたりするのでしょうか。京都の底冷えとはこのことだった!と改めて思い出す、この3連休は本当に寒かったですね。
自宅前の防火用バケツの水が凍っていて、氷の暑さが5cmくらいになっていたのにはちょっとびっくりでした。こんな寒さは珍しいから、うちの三姉妹たちを引き連れて「雪を見に行こう!」って意気込んで滋賀までドライブしてみたけれど、雪はそれほど残っていなかった。残念。でも氷柱で遊んだり、雪山の景色を楽しんだりして、良い時間でした。
うちの三姉妹の上二人、つまりは長女と次女は年子です。彼女たちを引き連れていると、たまにスーパーなんかで「ふたごちゃん?」って聞かれるくらい、サイズ感が同じで、どちらが上でどちらが下かってのがわからない。そして二人はとても仲良しで学校の友達や近所の友達と遊ぶより、姉妹二人で遊ぶ方が楽しいみたいです。そんな二人を見ているととても微笑ましく、そしてそのコンビネーションとか息の合った感じがうらやましくもあり、親としてはこのまま仲良し姉妹ですくすく育ってほしいなぁと願うばかりです。
たぶん軍隊用語なんだと思うのですが”ツーマンセル”って言葉があります。
ツーマンセル(英語:Two man cell)とは二人一組で組む最小のユニットになります。 三人で組む場合はスリーマンセルになります。 他にもバディ(buddy)といった言い方もします。 軍や警察などで戦術用語として使われますが、一般でも二人一組で仕事する場合に使わる言葉です。
別のサバゲーやるわけでもないし、戦争なんてとんでもない!反対!なボクですが、男子はそういう言葉に弱かったりしますよね。ボクもその一人で”ツーマンセル”ってなんかかっこいい。そんなコンビネーションへの漠然とした憧れ、というわけではないのですが、最近おいかぜでは新しい取り組みにチャレンジしています。それはディレクターのアシスタント制度、つまりはディレクターとアシスタントディレクターの”ツーマンセル”なユニットです。
テレビ業界なんかではアシスタントディレクターってのはよく聞きますが、ボクたちの業界ではあまり聞かない気がします。
なぜこの制度にチャレンジしようと思ったかというと理由は単純です。ディレクターの恒常的な業務過多を解消するためです。ディレクターのリソースが足りなければディレクターの人数を増やせばいいじゃないかと言われそうですが、ディレクターを増やすとしばらくは負荷が下がるのですが、結果として案件の総数が増えることになってしまって状況が改善されない。それはボクたちのリソース管理・マネジメント能力にも問題があると思っているのですが、どうもそれだけではないということも感じていました。
おいかぜの案件への取り組み方はディレクター+デザイナー+エンジニアのチームでやることが多いのですが、ディレクターに業務が集中しがち。デザインやエンジニアリングって割と領域や作業範囲が明確なのですが、おいかぜのディレクションには進行管理・ディレクション(アート/クリエイティブ/テクニカル)・客先とのコミュニケーション・社内調整・予算管理など多岐に渡ります。お客さんのITやウェブについてのリテラシによって作業の幅も変わってきたり、細々とした作業(言葉を選ばず言うと雑用)もあったりで、ディレクターって本当に大変な仕事。それをデザイナーやエンジニアがサポートすることはもちろんなんだけれど、それでもフォロー仕切れないわけです。
じゃあディレクターの作業毎に領域をわけていって、そこに職種を設ければいいじゃないかということになりそうですが、理屈としてはできるんだけれどまあ現実問題として難しいわけです。そこでボクが思いついたのがディレクション業務の”ツーマンセル”というわけです。
つい1ヶ月前くらいから、このディレクション業務の”ツーマンセル”をディレクターの樋口さんとアシスタントディレクターの遠藤さんという組み合わせで試してみています。実はこの二人は実の姉妹。抜群のコンビネーションでいまおいかぜのディレクション業務の”ツーマンセル”の知見を積み上げていってくれています。
自分のnoteの記事を振り返ってみて、ボクがこのディレクション業務の”ツーマンセル”というアイデアに辿り着く必然性を感じる記事が2つあります。
ディレクターはクライアントと社内のデザイナー・エンジニアの間に挟まれるハードな仕事です。その折衝の中で”後ろにだれもいない”と感じることもあると思います。そんなときにバディがいる、ツーマンセルで案件に取り組めれば”孤独”を感じることも少なくなると思っています。
そしてディレクターが案件に行き詰まったとき、社内の他のディレクターやデザイナー、エンジニアに相談することはもちろん”おいかぜ”になるんだけれど、今まさに一緒に案件に向き合っているバディがいればより心強いし、より強い”おいかぜ”になるわけです。
まだ樋口さん遠藤さん姉妹の二人で試行錯誤が始まったばかりなのですが、ボクはうまくいく確信を持っています。役割や領域って言葉で定義されがちなんだけれど、その定義をうまく使うこと、その定義を都合よく変えていくことは、とても大事なことで、まさにおいかぜのディレクター・ディレクション業務はそのタイミングにあるような気がしています。
ボクたち世代がウェブサイトを作りはじめたころ、領域とか職種とか役割をすっ飛ばして仕事をしていたころ、その時代の良さみたいなことと、いまの時代に合ったやり方とか領域とか職種とか役割とか働き方とか、そんなことのバランスをうまくとりながら、おいかぜのディレクターが健全でやりがいを感じながら、誇りを持って仕事ができるようにしていきたい。
たぶんボクは何をやったって”はたらくをデザイン”して”だれかのおいかぜになる”ことに繋がっていくんだろうなって。
そんなことを考えた44歳の誕生日で十日戎の1月10日の日曜日でした。