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大晦日にボンヤリ2020年を振り返るおはなし

みなさん大晦日はいかがお過ごしでしょうか?

昨日の夜は京都市内でも雪が降って、大晦日らしい気温で、1年の中でも独特の雰囲気を纏った年末最後のこの日、ボクは午前中にスーパーの買い出しに行ったり、なかなか足を運べていなかった本と野菜 OyOyに行ったり、夕方は天ぷら蕎麦でもつくろうかなって思ってます。子どもたちは「うどんがいい!」なんて言い始めていて、まあ空気読んでくれない感じですが。

本当なら毎週月曜日にアップするこのnoteの記事をなんとなく今日にまで引き伸ばしてしまったのには、ボクなりの理由があったりします。

今年のおいかぜ事務所としての最終営業日の12/25以降、2020年をボンヤリ振り返っていました。そしていまこれを書いているこの時にもまだボンヤリ振り返っています。その朧げな思考を言葉にしようと思ったとき、この数日間しっくりこなくて、ふわふわしたところに置いたままにしていたわけです。つまりは言い訳ですね。はい。

今日さきほど本と野菜 OyOyに行ったとき書店スタッフの佐藤さんと話していて、1年前はまだHumming Bird Bookshelf 四条烏丸店は閉店していなくって、OyOyの立ち上げに奔走してましたね、なんて話をしていたけれど、1年で何がどう変わっていくかなんて誰にもわからないものです。みんなこの1年いろいろあった。

ボクはこうやって1年の単位で振り返るタイミングが年に2回あります。おいかぜの期末である8月末と年末から誕生日である十日戎あたりにかけてのこの時期。そんなに何度も振り返っても仕方ない気もするのですが、この振り返りは習慣になってしまっていて、意識せずとも考えてしまうわけです。

2020年、つまりはボクの43期目を振り返ったとき、世間的には新型コロナウィルスというキーワードは外せないのかもしれませんが、ボク自身にとってはあまり重要なキーワードではなかったような気がしています。

そんなボク・柴田一哉の2020年を振り返ってみようと思います。

1、おいかぜの業務に専念した1年

2020年3月末にHumming Bird Bookshelf 四条烏丸店が閉店し、ボクは株式会社鷗来堂の役員を退きました。二足の草鞋から自社の経営一本にフォーカスしたのが、2020年の前半でした。業務的には去年の年末は既においかぜは大忙しで、その忙しさのままこの年末を迎えています。ほんとうにずっと忙しい。ありがたいことなのですが。

今年は本当によく事務所にいたと思います。ボクがいないことなんて大した影響はないと思っていたけれど、ボクの不在による小さな不具合や不整合みたいなことは、やっぱり現場にいないとわからないもんだなということを確認した2020年。

事務所のレイアウトだったり、細かな備品のことだったり、労務管理のことだったり、仕組みや制度のことだったり。一見うまくいっているようなことでも現場にいると軋みのはじまりというか、コトのおこりみたいなことが見える。

ボクがこの2020年にnoteの記事に書き続けた”身体性”というキーワード、まさにその話になるのですが。

2020年は、ボクの不在によって生み出したおいかぜへの”身体性の欠如”を回復させた1年だったように思います。

2、良い会社とは?を考え続けた1年

ボクは常に”良い会社”ってどんな会社だろう?って考えています。特に今年はそのことについて強く考えた1年だったように思います。ボクはこれまでいろんな会社や組織を見てきました。その中には良い会社もあれば良くない会社もあった。じゃあその良いとか良くないってのはなんだろうって抽象的な問いを少し言語化できたのが2020年だったように思います。

その大きなきっかけになったのが京都移住計画さんに書いていただいたこの記事の取材でした。

ライターさんがボクの言葉をうまく捉えてくださって、ボクがつくりたい”良い会社”ってこういうことだなってボクの中でうまくまとまった気がしています。記事内に書かれている3つの言葉たちがまさにそれです。

「地方の中小企業って、コミュニティに近いと思うんです。特に京都は、ご縁を大切にする方が多く、会社がコミュニティでいられる地域だと感じています。コミュニティというと、熱い思いを持ってみんなで頑張ろう!みたいなイメージを持たれるかもしれないですが、思いだけで進んでいくものではなくて。僕と社員の間に、仕組みや制度がうまく介在することで、良い距離感、良い関係性が築けると思っているんです」
「仕組みや制度、そういう具体的でフェアなロジックで解決しようとするのは、とても父性的ですよね。会社には母性と父性、両方が必要です。会社全体は母性的な気持ちで包みながらも、父性的な仕組みや制度でみんなのおいかぜになりたいと考えています」
「会社はコミュニティであり、みんなが生きていくために集まるための場所、つまり社会資本的な役割があると思っています。だから、会社を大きくするよりも強くしたい。その思いは今後もずっと変わりません。ただ成長することを目指すのではなく、様々なことを寛容し受け入れられる強さを持つコミュニティとして、ゆるやかに変わりつづけ、ゆるやかに拡大しつづけていくことを目指したいと思います」

ボクはおいかぜを創業した当初から”会社を強くしたい”と思っています。それは業務内容だったり業務の幅だったり財務のことだったり人材のことだったり強さにはいろんな側面があるのですが、基本的なところに”ボクに関わる人の生活を支え続けたい”という想いがあります。その想いを実現し続けることこそが強さだと思っています。つまりそれはボク自身が社会基盤でありボク自身をプラットフォーム化したいということ、そして会社を社会資本的な役割に昇華させていきたいということになります。

とても大それたことを言っているような気もするし、思想が偏っているような字面になっていないか心配なのですが、とても中庸でバランスの取れた考え方だと思っています。ビジネスの世界で社会資本的な立ち位置・役割を目指す、ゴリゴリのビジネス指向でもなくソーシャルビジネスでもない、ボクなりの新しい中庸だと思っています。

この考え方は何も突然新しくでてきたようなものではなく、たぶんボクの心の中のどこかに既にあったこと。それはの理念である”だれかのおいかぜになる”を体現する、ボクやおいかぜに関わってくれるどちらかといえば中にいる人たちに向かってふく”おいかぜ”を具体化した言葉たちなんだと思います。

そして結果として、ボクのつくりたい”良い会社”というのは”だれかのおいかぜになる”を実現できることというところに収斂していく様は、なんだかおもしろくってとても宿命的で運命的だなぁと思っています。

3、プラットフォームソリューション事業の広報に向き合った1年

2020年はおいかぜのITインフラ事業、プラットフォームソリューション事業の広報に向き合った1年でした。

クリスマスには特設サイトをリリースしました。今改めて見ても、とても良いサイトができたなぁと感心しているのですが、うちの創業期からの事業で基幹事業を詳しく説明するコンテンツを17年間もつくってこなかったことに反省しながら、それだけうちのプラットフォームソリューション事業が信頼と実績を現場レベルで確実・着実に積み上げてきたんだなってことを再認識したりもしたわけですが。

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きっかけは営業やディレクターが客先でプラットフォームソリューション事業について説明するときに簡単なA4両面くらいの資料が欲しいという要望でした。それをディレクターの小室さんとデザイナーのやまもっちゃんとイラストレーターの吉澤さんが現実化してくれた。その起点があったからこそ、特設サイトのリリースにまで繋がったのです。

この1年間で多くの人の働き方は大きく変化しました。ボクたちのプラットフォームソリューション事業はITインフラをつくり・ささえるという使命から、はたらくをつくる・デザインするという使命へとゆるやかに変容しはじめたと思っています。

 ボクが考える”はたらくをデザインする”という思想とおいかぜの基幹事業がバチっと接合した瞬間でもありました。”はたらくをデザインする”ための「あらゆる“はたらく”を支えるための“ITインフラ”のトータルサポート」。それがおいかぜのプラットフォームソリューション事業です。

ボクたちのそんな想いや考えを、そしてプラットフォームソリューション事業で”だれかのおいかぜになる”ことを拡く深く伝え始めた2020年になったと思います。

4、自分の思考を言語化し続けた1年

毎週3000字程度のボクのこの言語化の作業。この年末で約8ヶ月続きました。たぶん40記事目くらい?これだけ自分の思考をアウトプットし続けたことは今までなかったのですが、とても楽しんでやることができました。

このコンテンツがボクにとって、おいかぜにとってどんな作用をもたらすかはまだほとんど何も見えていないけれど、少なくともボクがボク自身のための思考の整理や言語化ができたという意味では本当に続けてよかったと思っています。そしてまだまだ続いていくつもりではあるのですが。

自分として大事にしているキーワードを繰り返し執拗に言葉に落とし込んだり、そして想像もしなかったキーワードが浮き彫りになったり、言葉が言葉を産み出すようなシナプスのような思考の連鎖を引き起こしたり、ボクは自分が考えていた以上に書くという行為が好きだということがわかったことはとても大きな収穫でした。

5、さいごに

こうやって振り返ってみて、ボクにとっての2020年は、悪くない1年でした。むしろいろんなことをかたちにできたように思います。相変わらず周りくどい不器用なやり方しかできないなという自覚はあるけれど、まあそれはもう自分とうまく付き合っていくしかないわけで、2021年も”だれかのおいかぜになる”っていう想いだけしっかり持っていれば、ボクやボクに関わってくれるすべての人にとって、今日より明日が良い日になるんじゃないかって信じています。

みなさま、どうぞ良い大晦日をお過ごしください。そして良い2021年をお迎えくださいね。

今年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い致します。

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