共通点を見つければ好感度を上げやすい!?『類似性の法則』
■『類似性の法則』とは?
『類似性の法則』とは、自分と共通点が多い人に対して、親近感を抱きやすいという心理事象のことです。
ここで言う「共通点」は、身体的特徴や見た目といった外見だけでなく、価値観や思考、性格や言動といった内面的要因、学歴や職歴といった経歴、名前や血液型、誕生日や出身地などの要因も含まれます。
類似性が高い(共通点が多い)ほど心理的な距離が縮まるこの事象は、日本では「類は友を呼ぶ」とも言われています。
■『類似性の法則』の由来・メカニズム
基本的に、人間は自分のことしか関心がありません。
また、自分の経験や知識の範囲内で物事を判断しており、その判断が正しいと認めてもらえることに喜びを感じます。
そして、類似性の高い人の存在は、自身を認めてもらう=承認欲求を満たすことにつながります。
自身と同じ意見や思考の人に親近感を覚えるのは、こうした人間のメカニズムに理由があります。
この類似性の法則は、1961年に社会心理学者であるセオドア・ニューカム氏が類似性に関する研究を実施し、その後アメリカの心理学者であるドン・バーン氏とドン・ネルソン氏によって1965年に提唱されました。
セオドア・ニューカム氏の研究によって、人間はお互いの基本的なモノの振る舞いや考え方が類似していることが、長期的な人間関係の形成において特に重要な要因であることを発見しました。
そして、ドン・バーン氏とドン・ネルソン氏による研究によって、ニューカム氏の「態度や価値観の類似性が高いと仲良くなりやすくなる」理由として、以下の3つの要因を挙げています。
ドン・バーン氏は、これらの要因を「合意的妥当化」と名付けました。
相手が自分と類似性が低ければ、自分の振る舞いや意見を否定され不安になりますが、自分と類似性が高い相手であれば、自分の振る舞いや意見を肯定的に捉えてもらいやすいため安心し心地よさを感じて親近感を持つというわけです。
■マーケティングシーンでの活用例
◆コピーライティング
類似性の法則は、「仮想の敵」を想定しつつコピーライティングに用いると効果的とされています。
人間は何か自身にとって不都合な事象が発生した際、その原因を自分自身によるものではないと思いたがる習性があります。
その習性を利用して「不都合が起こるのは自分自身に責任があるのではなく(仮想の)敵によって起こる」というキャッチコピーにするというもの。
といったように、「あなた自身のせいではなく、理論と実践方法が悪かった」といった例が挙げられます。
ポイントは、実際に存在する特定の個人を取り上げるのではなく、あくまで抽象度のある仮想の敵・事柄にするということ。
人間は共感してもらえるだけでも『類似性の法則』によって好感を抱きやすいのですが、共通の仮想の敵を用いると一層親近感を覚えるようになります。
◆導入事例(ケーススタディ)
導入事例というコンテンツには、「導入企業の業種・規模」や「導入前の課題」「導入後の効果」といった、ターゲットとなる消費者や見込み客の共感を呼ぶための要素が含まれています。
導入事例コンテンツを見てもらうことで「自社も同じ課題を抱えている」、「自社も課題を解決してそういった成果を出したい」とイメージしてもらえれば『類似性の法則』が働き、より親近感を覚えて購入・導入への心理的ハードルが下がることが見込まれます。
◆身近な一般人にモニターになってもらう
販売したい商品やサービスを著名人や有名人ではなく、一般の人にモニターになってもらい、プロモーションするというのも活用例の一つです。
著名人や有名人をプロモーションに起用すれば「この人が紹介しているのなら良い商品・サービスだ」と『ハロー効果』(※)が発揮しやすくなりますが、親近感や身近に感じにくくなります。
なので、親近感や身近に感じやすい一般の人を起用しプロモーションすることで、類似性の法則を大いに発揮する可能性が高まります。
一般の人を起用する際のポイントは、その商品やサービスのターゲット像に合致する・共通点の多い人であること。
販売対象と合致させないと「この人が紹介している・使っているなら自分も」と類似性の法則を発揮させにくくなってしまうからです。
※『ハロー効果』の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
■セールスシーンでの活用例
類似性の法則は、集客などのマーケティングシーンだけでなく営業活動のシーンでも活用できます。
この続きは、こちらのページをご覧ください!
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BtoBマーケターより。