量子力学:時間の最小単位/アト秒より短い「プランク時間」
1秒は、セシウム133原子が9192631770回振動するときの経過時間で定義されます。セシウムの振動周期は常に一定で、なおかつ現在の技術で測定可能なため、人類はこの定義を採用しました。
ところで、この宇宙の時を刻む時間は連続的に流れるのではなく、プランク時間と呼ばれる最小単位でチクタクと進んでいると考えることができます。1プランク時間は、量子力学の不確定性原理によって示される物理現象の最小時間単位で、これより短い時間はどうやっても計測できないことを意味します。
この最小単位は人類が勝手に決められるものではなく、技術が進んだとしても縮まるものではありません。つまり、時間に関しての宇宙の秩序を表す絶対的な決まり事です。
最後に、1秒と1プランク時間の換算を示します。1プランク時間は約5.39x10の-44乗秒です(これは少数点以下に0が44個ならぶことを意味します)。非常に短い時間の単位である1アト秒でも、10の-18乗秒ですから、1プランク時間がどれだけ短いかが分かります。1秒は約1.855x10の43乗プランク時間です。なお、マックス・プランクは量子力学の端緒を開いた者の一人としてノーベル物理学賞を受賞しました。