謎 2
驚きすぎた私は、上半身を起こしたところで一時停止している。
幽霊か、はたまた妖怪か。どちらにせよ、見えてはいけなそうなものが見えてしまっているであろうことは、容易に想像できた。疲れているのか。それとも頭痛のせいだろうか。
様々なことを想像したのち、結局素直に話を聞こうという結論に辿り着いた。枕元から少し離れたところにあるローテーブルを布団の近くまで動かして、緑色の物体にそのとなりに座るように促した。その物体はゆっくりとそこに座った。
「バニラとチョコ、レモンのやつもあるけどどれにする?」
その緑色の物体は、そう言って3つのアイスをローテーブルの上に置いた。そいつは、私が片頭痛の時にアイスが食べたくなることを知っていたかのように、それを買ってきた。その他にも、スポーツドリンクや栄養ドリンクとともに、タオルや冷えピタ、アイマスクなども用意周到に買ってきている。もちろん、頼んでなどいない。なんなのだ、コイツは。
話を聞くうちに、私はそいつと初対面ではないことが発覚した。聞けば、子供の頃から体調を崩すたびに、私の前に現れていたらしい。ひとり暮らしをはじめてからは、隠れて生活用品や食料品を買ってきてくれていたことも教えてくれた。
なぜなのか聞いてみると、特に理由はなく、ただかわいそうだったかららしい。変なやつだ。意味が分からない。ただかわいそうなだけでそこまでするものか。
私以外の人にも見えるのかと聞いてみると、それはできないらしかった。では、なぜ、私にだけ見えるのか。
考えられる理由は2つ。この物体が私にだけ見えるようにしているか、この物体は私が頭の中で作り出したものだからか。
どちらなのか分からないが、この緑色の物体は、まだまだ調べてみる価値がありそうだ。
この物体に、私は、ミドリちゃんという名前を付け、ミドリちゃんの研究結果をここに記して行こうと思う。