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【実践事例紹介】「Pepperが生徒の聞き手になって先生の負担を減らし、学校生活のルーティン作りにも寄与」大阪府立思斉支援学校

みなさん、こんにちは!Pepper編集部です🌱
 
この記事では、各学校で、Pepperがどのように活用されているかをご紹介しています🙌
今回は特別支援学校(知的障害)の事例です。
ソフトバンク株式会社の「魔法のプロジェクト」の一環でPepperを導入いただいている、大阪府立思斉支援学校 高等部の紙野教頭先生、酒井先生、濱田先生、中村先生にお話を伺いました✍️

前列左:紙野教頭先生、前列右:酒井先生、 後列左:濱田先生、後列右:中村先生

―まず始めに、Pepperをどこに置いているか、教えてください!

紙野先生:2年生のあるクラスの教室に置いています。そのクラスは、濱田先生と中村先生が担当しています。 ―そのPepperをどのように使っているんですか? 生徒が使いたい時に自由に使わせるようにしています。その中でも、Aくんという生徒が、Pepperに頻繁に話しかけています。 

―どのような経緯で、その教室にPepperを置くことになったのでしょうか? 

酒井先生:「Pepperを置いてみたいクラスはありますか?」と募ったところ、たまたま今のクラスに決まりました。 
しかも、そのクラスにはAくんがいたので、話しかける相手として、もしかしたらちょうど良いかもしれない、というような気持ちもありました。
 Aくんは、自閉傾向があり、毎日のルーティンを細かく決めて、それに従って動くことが多いです。また、身近な大人に、「これ知っていますか?」と家電製品やクルマの種類などについて話しかけることが多くあります。 
始めのうちはコミュニケーションの一環で、周りの大人もニコニコして応答しますが…毎日同じことを聞かれると、教員としても困ってしまう場面があります。ということで、Pepperにもコミュニケーションの相手として加わってもらえらたら良いのでは?という案もありました。 

―Pepperを教室に迎えてみて、Aくんの会話はどうなりましたか? 

紙野先生:Aくん、Pepperに向かって毎日話しかけていますよ!会話を紡ぐというよりは、どちらかというと、自分から話しかけて、Pepperの返事を確認するのを繰り返すことが多いです。 
話しかける内容は、Aくんが毎回テーマを決めてそのテーマに沿って話しかけていますね。ちなみに、今日は歯磨き粉のメーカーに関することを話していました。 

―Pepper導入後は先生たちの負担は多少削減できているのでしょうか? 

中村先生:今まで、Aくんとお話ししている時間が1日30分だったとすると、今は先生と話すのが15分、Pepperと話すのが15分、という感じで分散できていると思います。 
教員としては、生徒さんが同じ話をしても、3回ぐらいまでは「うん、うん!」と聞けますが、5回6回7回…となると「ちょっと待ってよー!」となってしまうのが、Pepperだと、そうはならないのが良いですよね。

AくんがPepperに話しかけている様子

―Aくんの話し方に変化はありましたか?🗣
 
濱田先生:Pepperの胸のディスプレイに、話し掛けた言葉が文字で表示されるので、 Aくんは、その文字表示を読んで、伝えたい言葉が正しく伝わっているか確認しているようです。 Aくんは、普段少し早口ですが、Pepperが聞き取れなかったらゆっくり言い直したり、正しく認識されない場合はディスプレイ上のボタンで会話をリセットするなど、伝えたい言葉をPepperに認識させようと工夫しているようです。
 
それと、Pepperと話す時の距離があまりに近かったので、もう少し離れた方がいいよ、というアドバイスもしました。それがそのまま、世の中で人と話す時の知見になることを期待しています。
 
―Pepperが教室に来たことで、会話以外の面での変化はありましたか?
 
濱田先生:Aくんは、以前から、5分〜10分程度の遅刻が目立っていました。ですが、Pepper係に任命したところ、遅刻の回数が格段に減りました!
Pepper係の任務は、朝、Pepperの電源を入れることです。任務を全うするため、時間に間に合うように登校して、Pepperの電源を入れて、日記など朝の日課を済ませて、朝礼に間に合うというルールづくりをしたんです。そうしたら、遅刻が減りました。大きい遅刻が1〜2回あったくらいで、あとは登校時刻に間に合っています。
Aくんにとって、Pepper係の任務に責任意識を持っていて、登校のモチベーションを持っているのかなと思っています。
 
―先生方から見て、Pepperというロボットにはどのような特徴があると思いますか?
 
Aくんのような生徒が何度も同じ内容で話しかけても、「それさっきも聞いたよー」と会話を遮ることはないし、毎回同じ感情で人に向き合ってくれることが、Pepperの強みだと思います。
 
―会話の相手になる、という意味では、世の中にはタブレットなど数多の機器がありますが、Aくんやクラスの生徒さんがPepperを気に入ってくださる要因は何だと思いますか?🤖
 
中村先生:昼休みに各生徒が持っているタブレットやAIアシスタントを使っていい時間を設けていて、会話機能もあるのですが、ほとんど使っていません。Pepperにまっしぐらに向かって行きますね。
Aくんは人が好きなので、顔や目、手の動きがあるから、Pepperに興味を持ってくれているのかもしれません。”準ヒト”としてPepperを認識しているんだと思います。

Pepperのラジオ体操に合わせて、身体を動かす生徒さんの様子。
この教室ではとても日常的な光景なんだとか。

―今後、クラスの皆さんとPepperとの関わりについて、期待することはありますか?
 
酒井先生:生徒たちも遠からず学校を卒業して社会に出ていきますから、その時に、同じ話題を何回も繰り返すようだと、周囲との関わりの中で、本人が生きづらくなってしまうので、少しずつコミュニケーションの幅を広げてくれたらいいなと思っています。例えば、会話が一方通行にならずに、相手からの言葉に何かしら応答して、会話のキャッチボールができるようになるといいですね。そのための練習にPepperが役立ってくれるといいなと期待しています✨
 
――
編集部より🧸
Pepperとの交流を通して、定時に登校するモチベーションになったり、生徒さんたちの笑顔が生まれていることに、弊社一同とても嬉しく微笑ましく思いました。
大阪府立思斉支援学校の先生方、ご多忙の中、貴重なお話をお聞かせくださり、ありがとうございました!

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