いろんなことをして出会った経験(中日新聞記事から)
「自分なんかいない方がいいんじゃないか、と苦しく、つらかった」
ロボット開発研究者の吉藤オリィさんは、小学校5年から3年半の不登校を振り返る。
とにかく「孤独」だったという。
学校に行かなくなった当初は、親は世間体を気にして、なんとか学校に行くように言った。しかし、体調が悪くなるより、健康でいてくれた方が...と、無理強いしなくなった。
両親はいろんなことをさせてくれたそうだ。
ミニバスケットボール、ピアノ、体操教室、無人島のキャンプ...、その一つがロボットコンテストへの参加だった。
虫型ロボットを組み立て、ゴールへ向けて動くようにする。本格的にプログラミングをするのは初めてだったが、中学1年の夏、偶然にも大会で優勝。
そして1年後の優勝した人が集まった大会で決勝で負け、準優勝。
でもその会場で出会った高校の先生が作ったロボット。そのロボットは一輪車をこいでいた。それに衝撃を受け、「この人に弟子入りすればもっとすごいロボットを作れる」と思い、少しずつ中学にも通い出した。
学校に行かなかった3年半は本当に「孤独」を感じた。でも、そんな人はきっと私だけじゃない。孤独という状態からどうしたら解放されるか。
17歳の時に「世の中の人の孤独を解消するため、残りの人生を使おう」と決めた。
寝たきりの人が遠隔操作をして人と出会える「OriHime(オリヒメ)」を作成した。
この経験がなければ、この気持ちに寄り添うことは難しかったかもしれない。
世の中に正解はない。世の中が正しくて、自分が間違っているわけじゃない。
自分を世の中の常識にあてはめても、あてはめなくてもいい。
あてはめてみて違和感を感じたら、自分の感覚に正直にしたい。世の中に正解はないんだから、自分は不正解だと否定することには意味がない。
自分にとって「楽しそう」に感じることをいろいろとやってみることはいいことだろう。
その興味を感じているのは、他ならぬ、あなたの感性なんだから。他人からの答え合わせは必要ない。
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