問題を管理する 事故の発生要因と回避:4M5E

noteでは以前にも問題解決について記しました。いずれも論理的思考のマガジンであげました。
そこで今回はマネジメントの視点から考えてみたいと思います。

1.経営の中の事故を考える
事故の発生要因:インシデント(要因)とアクシデント(事故)
 適切な方法で円滑に作業をすすめられていれば問題は起きません。一般的に事故は3つ以上のインシデント(要因)が重なった時、アクシデント(事故)が発生すると考えられています。そして最も大きな要因はヒューマンエラー(人的ミス)と言われています。
「事故」という言葉にするととても取り返しがつかないようなことのように思われるかもしれませんか、普段の生活などにおいて、例えば企業であれば事業の運営の中で想定外の出来事があり、その出来事がじぎよの円滑な運営を妨げる出来事であれば、それは「事故」と考えるべきでしょう。

2.4M5E
4M5Eは事故が発生する要因とその解決方法についての考え方です。

事故の要因である4Mは以下のものが挙げられます。
Man:人的要因
Machine:機械・技術要因
Media:環境
Management:管理要因

この考え方でも、1つ目に挙げられるのがやはり人的ミスです。
2つ目の機械・技術要因は機械の不良などではなく純粋に機械の機能や技術水準です。例えばアクセルとブレーキの踏み間違い防止装置がこれに当たります。
3つ目の環境にぉては、例えば仕事であれば労働環境などで、屋内より屋外の方が環境を管理できないと言えば解りやすいでしょうか。
4つ目の管理については、管理能力やルールなどがあります。

事故回避の方法である5Eには以下のものが挙げられます。
Education:教育・訓練
Engineering:技術的改善
Enforcement:強化・徹底
Example:事例・対応例
Environment:環境整備

事故が起きる要因の最大の理由が人的ミスですから、事故回避の最善方法は教育です。
2つ目の技術的改善については、安全装置など説明の必要はないかと思います。
3つ目の強化・徹底は、人が何かを行う以上、必ずミスが発生するわけですから、管理の強化やルールの徹底、責任の大きな事柄については罰則などもこれに当てはまります。
4つ目の事例・対応例は、様々なケースが発生する事柄などについてのケーススタディとトラブルシューティングです。
5つ目の環境整備は事故が起きやすい環境自体を整えて改善します。

察しの良い方なら気かつかれていると思いますが、5Eの事故回避の考え方は、上に挙げたものほど、時間、労力、コストなど様々な面から解決が困難であると同時に、問題自体を解消するために不可欠です。人材育成のフレームワークであるカッツモデルの視点から考えても、ヒューマンスキルが重要です。しかしヒューマンスキルの教育は一朝一夕にはできません。
このような積み重ねが企業や事業のトラブルを解消します。

3.経営支援の事例
僕は企業の経営支援で様々な業務に携わっています。規模の大きな作業であれば企業や事業戦略、マーケティング戦略の立案実行、新規事業の立案などを行います。しかしこうした長期的な案件を扱う中で様々な問題に直面します。
また、これとは別に、個別な様々な問題について相談を受けます。「技術的な改善」は、さすがにこれは僕の専門の範囲を越えてしまいますが、時として様々な事例から、問題点を指摘して改善事例を示します。
そこから先が必要とされれば、プロダクトデザイナーの方との作業になります。

何度も述べましたが、事故やトラブルの最も大きな要因は人的ミスです。企業の問題を改善するに当たり、一番多く行っているのは、「強化・徹底」です。
どうしても人的ミスの再発や恒常化した課題を早期改善するためには、問題を回避するためのルールを作り、管理を徹底するしかありません。
ただしこの時、根本的な問題解消には、教育が不可欠であることや、教育プランなども提案します。
たま再発防止のため、対応例によるトラブルシューティングや環境改善も提案します。

これは経営者の方の考え方にもよるのですが、、、ともすると目先のコストや収益ばかりに目がいってしまうと、抜本的な解決が遠くなります。
現在、多くの企業が苦しい状況にあります。勿論、売上の減少などは深刻ですが、色々な話を伺うと、以前からの問題が顕在化したと感じることも少なくありません。これはそれぞれの業界の取引慣行などの問題も多く含みます。今年の初め頃まで多くの人々が注目していた小売業の24時間営業について、独占禁止法に抵触するという判断がなされました。
今後このような問題も解決しなければ、日本経済の回復が困難になります。
とは言えやはり慣例で行ってきた経営に問題があったことも事実です。

今こそ企業の未来を見据えて、問題解決に取り組むことが不可欠だと思います。

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