わずか1年間で偏差値40→70!理系YouTuberの勉強法を初公開!
いきなりですが、みなさんは、本書のタイトルにある「元バカによるバカのための」という言葉を見てどう思ったでしょうか?
今でこそ、YouTubeチャンネル「はなおでんがん」の影響も多少あって、「でんがんって、まあまあ賢いヤツやろ!」と思う人がいるかもしれません。
でも、じつは僕は小学校の頃からテストの成績はいつもクラスで下から数えたほうが早いレベルでしたし、音楽やスポーツもすべてド下手な子供でした。
中学に入ってからも状況はたいして変わりませんでしたし、高校も偏差値がそこまで高くない学校に入学したうえに遊びほうけるという有様でした。高校生のときに受けた模試では、偏差値40台をとってしまったこともあります。高校を卒業するまで、なにをやっても失敗ばかりで、典型的な〝落ちこぼれ〟の学生だったのです。
そんな僕が、浪人時代のたった1年間で、偏差値が40台から70に大きく飛躍し、最終的に大阪大学基礎工学部に合格することができました。
勉強がろくにできない「バカ」だった僕の脳みそに、浪人時代の1年間で、いったいなにが起きたのか?
そのすべてを本書でお話ししたいと思います。これまでに、僕の勉強のノウハウについてYouTubeの動画で断片的には紹介していますが、その核心と全貌を公開するのは、本書が初めてになります。
本書の中で、偏差値が大きく伸びた浪人時代に、僕が実践していたことを100カ条に分けて紹介します。
受験生時代に自分と真剣に向き合い考え抜いた結果として生まれたメソッドを本書にすべて詰め込みました。具体的な勉強法から、モチベーション的なマインドまですべてです。
難しい表現はなるべく使わないように心がけていますし、わかりにくい内容には図も入れています。まさにタイトルどおり、「元バカによるバカのため」に、できるかぎり僕の勉強法をかみ砕いてわかりやすく解説したつもりです。
あと、本書を読んでもらう前に、僕からみなさんに1つお伝えしておきたいことがあります。それは、人間、気持ちの変化1つで、人生は大きく変えられるということです。
そのことを僕自身が痛感したエピソードを紹介させてください。
僕が高校3年生のときに大阪市立大学という大学を受験し、その合否を待っていたときのことです。
すでに、僕は私立大学の関西大学に合格していました。もし、大阪市立大学に落ちてしまったら、関西大学に行くことも視野に入れていたのですが、その場合、大阪市立大学の合否発表よりも前に関西大学に入学金30万円を振り込む必要がありました。
僕の家庭は裕福ではなかったので、「この時点で、大阪市立大学に落ちたら浪人するか、それとも関西大学に行くのか、どちらを選ぶか決めないといけない」と思い、悩んでいました。
そんなある日、突然、父から僕に「この30万円は俺が払ったる。そんなことよりも、自分の将来を真剣に考えなさい。結果として大阪市立大学に落ちたら、浪人してもいいし、すでに合格している関西大学に入学してもいい。どちらの選択肢をとるかを考える時間に、俺が金を出してやる」という言葉をかけられたのです。
正直、父の言葉を聞いたとき、僕は驚きました。なぜなら、僕の家庭の状況的に、僕が浪人すると決断すればドブに捨てることになる30万円を父が関西大学に振り込んでくれるとは夢にも思っていなかったからです。
実際に、父は関西大学に30万円を払ってくれました。そして、その後に大阪市立大学に落ちてしまった僕は、考え抜いた結果、浪人を決意したのです。
父の言葉によって、僕は「ここから始まる浪人の1年間、迷惑をかけた親のためにも1秒たりともムダな時間を過ごすことはできない。自分と真剣に向き合い、なにをするべきか考え抜こう」と決意したのです。
振り返れば、このときが、僕がバカから元バカへの道を大きく1歩踏み出した瞬間だったと思います。父の言葉がなければ、ちゃらんぽらんだった当時の僕は、浪人時代を適当に過ごしていた可能性が高かったでしょう。そうしたら、今、僕がこうやって勉強についての本を執筆することはなかったはずです。
これまでに、僕のもとにSNSなどから勉強に関する悩み相談が数多く寄せられてきました。そんな相談を読むうちに、数多くの失敗から得た自分のノウハウをかつての自分と同じように勉強に苦しむ人たちに1冊の本の形にまとめて伝えたい、という思いが強くなっていました。今回、こうして実現することができて本当に嬉しく思います。
本書が、少しでも勉強に悩む人の役に立てることを願っています。
『元バカによるバカのための勉強100カ条』1650円(税込) でんがん【著】 1993年2月10日生まれ。兵庫県出身。大阪大学基礎工学部卒
業。大学院修了後、大手企業に勤務したものの2018年に退職し、
YouTuber専業になる。共著に、『その悩み、僕らなら数学で解決
できます!』(河出書房新社)がある。