過去の私の俳句を斬る⑬
昔の自分と、俳句を通じて対峙する。
梅雨空の上にあるらし忘れごと 新治(平成27年)
季語は、梅雨空。
忘れてはいけなかったことがあったような気がするけれど、思い出せない。いっそのこと、あの分厚く重たい梅雨空の向こうに行ってしまったのだと思って忘れてしまおうか。
という感じでしょうか。
全体的に抽象的なことが述べられており、目に見えるモノが少ないですね。
心象俳句が悪いとは言いませんが、どうしても独りよがりな内容になりがちで、「そうですか…」で終わってしまうことが多い。
共感を得られる内容であればまだ救いがあるのですが、そうでなければ本当に残念なことに。
せめて、梅雨空は想像上のモノではなく、実際に目の前にあるものとして置きましょうか。
また、何に忘れたものなのか、もう少しヒントを入れたいですね。