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【英語】expatriate / expat

今日ご紹介するビジネス英語は、"expatriate" という単語と、それを短く省略した "expat" という単語。

発音は、それぞれ、「エクスパトリエイト」「エクスパット」

和訳は「駐在員」となるが、日本語でもカタカナ風に「エクスパット」と言ったりもする。

これは、通常、自国以外の国に住んで、働いている従業員を意味する。とりわけ、多国籍企業において、海外のグループ企業に派遣される従業員を指すときによく使われる。

例文を見てみよう。

She has been assigned to China as an expatriate to oversee the expansion of our business in the new market.
(彼女は新しい市場での事業展開を担当するために、駐在員として中国へ赴任しました。)

Expatriates often receive special allowances to cover the cost of living and family support while on assignment abroad.
駐在員は、海外赴任中の生活費や家族のサポートのために、しばしば特別な手当を受け取ります。)

I just met Sarah at the coffee shop; she's an expat from Canada.
(カフェでサラに会ったんだけど、彼女はカナダ出身のエクスパットだよ。)

企業が駐在員(以下「エクスパット」と呼びます。)を海外に派遣するメリットのひとつは、エクスパットが、異なる環境で様々な課題に取り組むことで、当該従業員の能力が開発できることだ。また、エクスパットを海外に派遣することで、派遣先が、派遣元や他のグループ会社との円滑な関係を保つのに役立つ。エクスパットが派遣先の国で成功をおさめると、通常、さらに出世し、海外本社や、より何度の高い職位で別の国に派遣される場合が多い。

ところで、エクスパットと、エクスパットの派遣先の現地法人に直接雇用されている従業員(以下「ローカル従業員」と呼びます)との間には、微妙なテンションがある。

たとえば、米国本社の会社の日本子会社に、米国本社からエクスパットが赴任してきたとしよう。エクスパットの多くは、日本子会社のローカル従業員の上司になる。日本での常識が欧米の常識と異なるときに、エクスパット上司は、本社のやり方を日本でも実行しようとする。

たとえば、日本法人の従業員を理由なく解雇しようとする。米国では雇用の流動性があり、解雇は容易にできるが、日本では労働者の権利保護が強く、解雇しにくい。そういう状況を理解しないエクスパットが上司になると、日本のローカル従業員は大変苦労する。また日本の雇用環境についてイチから説明しないといけないのか。どうせしばらくしたら本国に帰るくせに。などと感じてうんざりしながらお付き合いする。

そして、エクスパットの待遇は、通常、かなり良い。ローカル従業員との待遇差が、著しく大きい場合もある。文字通り桁違いの家賃の豪華な都心のマンション、本国との往復交通費、子供のインター校への学費など・・・。ローカル従業員には望むべくもない好待遇をうらやましく思い、冷めた目で見てしまうこともある。

これを裏返せば、企業にとって、エクスパットを海外に派遣することは、とても高いコストを負担することになる。だからこそ、エクスパットは、会社の期待を一身に背負い、強いプレッシャーを感じるらしい。なかには、赴任先の習慣や食事などが合わなかったり、文化の違いにどうしてもなじめなかったり、家族の反対があったりして、予定期間を早めて帰国してしまう人もいる。赴任先で評価が悪く、赴任元に戻れなくなり、辞めてしまう人もいる。彼らも、大変なのだ。

私も、今までの外資系企業勤めのなかで、何十人ものエクスパットと接してきた。そのなかには、人格的に優れていて、心から尊敬できる人と、そうでもない人がいた。

外資系企業で活躍したい人は、企業が選抜したエクスパットと親しくなり、彼らの優れた資質や考え方がどんなものかを、うまくつきあいながら学んでみてはいかがだろうか。

また、海外で活躍する日本人は少ないため、あなた自身がエクスパットとして海外に派遣される機会があれば、是非チャレンジしてみていただきたい。

ご参考になれば幸いです!

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