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たんか 202101

大破してまだ息がある鹿があり銃がなく弱い両手がある

死を見張るわたしの両眼を怖がって暴れる鹿の痛みが垂れる

パジャマのまま黒い群衆に紛れ込む白い窪みに沈香がにおう

ひがさでもみぎしたをむけふりはらうぱらぱらおちるひかりのしずく

やわらかい心がなくてわからない優しい言葉もみすみす捨てる

なぜおまえうまれてきたと声がする答えるなそれは質問じゃない

(「短歌人」2021年1月号 国東杏蜜)


※この号から会員1欄にあがり、最大6首掲載されるようになりましたー


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