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ヤマアラシのジレンマの応用【エッセイ】

──これがわかると人間関係がほんのすこしだけラクになってしまう考え方を教えます。













人間関係の本質は、ヤマアラシです。



あるところに、2匹のヤマアラシがいました。



ヤマアラシには、ある悩みがあります。



自分の体毛がトゲになっていて、こころを通わせて近づくと、自身のトゲでパートナーを傷つけてしまうことでした。



こころが近づくと、トゲがメリメリ刺さります。



向こうの山のヤマアラシにもトゲがあります。
そのトゲもじぶんに刺さって痛いのです。



こころが近づけば近づくほど、
愛し合えば、愛し合うほど痛いのです。



だれかを傷つけるくらいならと、ヤマアラシはひとりで生きることを決めました。



「いいんだ、ぼくはひとりで生きるんだ」
そう言って、山に籠もります。



でも、しばらくすると寂しくなりました。



ひとりぼっちが寂しいのは、ヤマアラシもいっしょです。



とうとう山を降りました。



すると、谷間で相手のヤマアラシもこちらをじっと見つめています。
向こうの山のヤマアラシも寂しかったのです。



うれしくなって、駆け寄りたくなりました。



でも、ヤマアラシは思いとどまります。



ほんとは、ぎゅうって抱きついてくっつきたい気持ちでいっぱいなのに、
じぶんのトゲのことを思い出してハッとしたのです。



向こうの山のヤマアラシもおんなじ気持ちです。
「このトゲ痛いだろうなぁ」



こうして二匹は、二匹にとってのちょうどいい距離を探していくのです。



この話は、心理学ではとても有名な話で、
「ヤマアラシのジレンマ」といいます。



トゲはありませんが、
ぼくら人間もヤマアラシとおんなじです。



くっついて離れて、またくっついて離れてを繰り返します。
そんな風にしながら、おたがいにちょうどいい距離を見つけていきます。



ぼくらは近づきすぎると、相手を傷つけてしまいます。トゲは向こうにあるから、じぶんも傷つきます。



だから、人間関係の本質はヤマアラシなんです。



ぼくらの人間関係は、くっついたり離れたりを繰り返し、じぶんとあいてが傷つかないで済むほどよい距離をお互いさぐりさぐり見つけるのです。



そんな日本全国のヤマアラシたちに知ってもらいたい考え方があります。



毎日人材という考え方です。



この概念をGoogleで検索したって、出たりしません。



なんせ、ぼくが考えた言葉です。出るわけない。



さっそく、この言葉について説明します。



毎日人材というのは、毎日でも会いたい人、毎日会っても苦痛ではない人という意味です。



3日人材、1週間人材、1か月人材、半年人材、1年人材、3年人材というのもあります。



毎日人材が毎日でも会いたい人だとすると、3日人材は3日起きに会いたい人で、1週間人材は7日ごとくらいに会いたくなる人です。




そのまんまですね。


 

あなたのまわりの誰かひとり(誰でもいい)を思い浮かべてみて、その人と何日起きに会うのが理想的かということを考えてみてください。



たとえば、数年ぶりに会った友だちが思いのほか意気投合して会話が弾んだとします。


そして、ふたりの予定がたまたま合ったので、翌日も遊んでみると、つまらなかったという経験をしたことありませんか?



これは、ふたりの間のちょうどいい時間のリズムを乱したことによるしっぺ返しです。



ふたりの間のちょうどいい時間というのは1年くらい空けることが理想なのに、そのちょうどよさを踏み越えてしまうと、盛り上がらなかったり、つまらなかったりしてしまいます。



恋人同士の会う頻度というのは、週に1回でしょうか、月に1回でしょうか。
会う頻度はカップルによって異なりますが、「会いたい」と思う頻度にズレがあると当然、メリメリとトゲが突き刺さります。



ほんらいだったら、ふたりの相性的には3ヶ月人材なのに、恋人という条件下になると1ヶ月に1回会わなきゃいけないみたいなことになると、悲劇のはじまりです。



もしくは、片方は相手のことを1週間人材だと思っているのに、もう片方は相手のことを1ヶ月人材だと思ってるときにも悲劇が起こります。



「え、また会うの?」
なんて口が裂けても言いませんが、



こころの中では「本当は1か月人材なのに、このスパンで会ってしまって大丈夫だろうか」という不安は拭い去ることはできません。



みんな本能的に、この周期とリズムを理解しています。



明確に厳密に定義しているわけではないけれど、
そのリズムをわざと乱してみることもあるけれど、
基本的には、この直感に準拠し会います。



ところが、たまに毎日人材がいるんです。



毎日いても苦痛にならない。
毎日でもいっしょにいたい。



そういう人が、ほんとに極々わずかではあるけれどいるんです。



あなたにとっての毎日人材はいますか?



ふたりの音叉が振動が、ここちよい人です。



今後もあなたは寂しくなったり、逆に鬱陶しくなったりすることがあると思います。



そんな時は、寂しいことを伝えて相手に鬱陶しがられる前に、相手と自分は何日人材なのかを考えてみてください。 



じぶんにとって相手が、何日人材なのかと
相手にとってじぶんが、何日人材なのかの
それぞれを考えてみてください。



きっと、そこにお互いの人間関係がより良い方向へ進むヒントがあるはずです。



ミスマッチがあるなら、まずはそこを出発点にします。



そうやって、ヤマアラシみたくお互いのほどよい距離を見つけられるといいですね。



冒頭のフラグを回収します。ぼくは、以下のように冒頭で書きました。



──これがわかると人間関係がほんのすこしだけラクになってしまう考え方を教えます。



人間関係がラクになるのは、寂しがり屋のあなたです。
寂しいあなたは、ついついこの快適な距離が掴めないと、イヤな思いをしてしまいます。



相手に都合があるので仕方ないのに拗ねてしまったり、怒ってしまったり。



そんな時、この「毎日人材」のはなしを思い出してみてください。



「会わない」は、イコール嫌いじゃないんです。
会わないのは、最適距離を調節しているだけかもしれません。



だから、彼(彼女)を責めないであげてください。



こういう考え方ができるようになると、ほんのすこしだけ生きるのがラクになります。

さいごに

ここまで読んでくれてありがとうございます。



もし、この話を読んで面白いと思ってくれた人に



一個だけお願いがあります。



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ぼくは、これからこういう活動(文章を書く仕事)で本気で食っていきたいと考えています。



だから、今後のためにもあなたがどんな人物で、どんな感想を抱くのかということは知っておきたい。



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