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山の日に行く谷川岳ー天神峠まで【/#034】

8月11日は山の日だ。
台風の心配もあったけど、予報は晴れと知り、急遽前日に夫を誘って谷川岳に行くことにした。目的は山の日のイベントに参加することと、涼しい場所に行くことだった。
私が住む地域の予報は37℃。ぐったりだ。

ロープウェイを登れば、涼しさにほっとする

この日はのんびり谷川岳に行き、到着は11時頃。途中少し渋滞もあり、すっかり遅い行動になってしまった。
しかし水上町の気温によると、この時間で28℃。嘘でしょ...下手するとエアコンつけた室内の温度じゃん、と涼しさに驚く。
実際ロープウェイ乗り場までの通路を歩くと外から風が入るのだが、最高に気持ちいい。

天神平駅が眼下に

この日は軽いハイキングをする予定だったので、ロープウェイを上った先の天神平駅から歩いて、天神峠と天神山を目指す。
天神平駅からはリフトもあるが、正味1時間のコースだったので夏山を楽しむことにした。
それにしても、ロープウェイを上った先の標高1,319mは快適だ。
一般的に、標高が100m上がると気温は0.6℃下がると言われる。ベースプラザは746mなので、3、4℃くらい涼しかっただろう。

登山道から見えるトマノ耳の雄大さに心を奪われる

谷川岳の登山道を歩くのは今回が初めてだ。山によって道の表情が全く違うのは、本当におもしろい。谷川岳の最初の登山道は、細く岩が多い印象だ。

天神平駅からの登山道

少し歩くと、目の前に谷川岳のトマノ耳が眼前に広がる。今回は山頂コースではないが、実際行くとなったらこの頂上を目指すのだ。いつか歩けるのだろうかと思いつつ、いやきっと私は登りにいくはずだと、山の姿を焼き付ける。しかし、雲があんなにかかってるあの場所はどうなっているのだろうか。

トマノ耳

分岐から天神峠方面に行くと、岩だらけの道が出てきた。
今回の一番の難所はこの岩場だ。

歩く場所を探しながら進む

グローブを持ってくれば良かったな、と思うも何とか進む。
岩場を登り切ると、360°パノラマの開けた場所に出た。

谷川岳

なんって絶景!遮るものもないため風はびゅうびゅう吹いてくるが、それがまた気持ちいい。うん、紫外線は強そうだ。

天神峠駅

先を歩くと、目の前にリフトを降りる場所の天神峠が見える。
天神峠は1,500m。よく登ったな、私。
1,500mまで登ると、強風が吹いたり止んだりして山の雰囲気はコロコロ変わる。行って良かったと思えるほど、景色も良くて最高だ。

八木原さんの話を聞きたくて

今回、谷川岳に行ったメインの一つは、登山家の八木原圀明さんの話を聞くことだった。

八木原圀明さん、77歳。
群馬出身。谷川岳一ノ倉沢衝立岩正面壁ミヤマルート発登攀。ヒマラヤへ通い冬季エベレスト南西壁初登攀を含む3つの世界初を記録。映画『植村直己物語』や『エヴェレスト 神々の山嶺』では撮影隊長を務める。

「八木原さんのヒマラヤ閑話」は去年や一昨年も開催されていたらしい。プロの登山家の話を聞けるチャンスだった。
八木原さんの話はおもしろく、「山の日」が制定された逸話や、群馬の登山家である山田昇さんの話を聞いた。
登頂したエベレストやダウラギリの話になると、写真を見るだけでもここに人は登れるものなのだろうかと畏怖を感じる。

参考写真

話の中で印象的だったのは、一緒に登山をした人で亡くなった方が多いことだ。折しも先日、日本でK2登攀を目指した方々のニュースが流れたばかりだ。
それでも、山がある限り人は登るのか。そして、私はなぜ山に行くのか。
淡々と話す八木原さんの姿が印象的だった。

それでも登るのだ

この先も私は山に登る。
感動を味わいながら、自分の体を見つめながら。
山は絶対に体調不良では登れない。山をイメージして登山計画を立て、自分をベストコンディションに持っていく。
私の知人は谷川岳に登頂した後、帰り道が雨雲に覆われ雷の中を下山したそうだ。
自然は人間の都合通りには行かない。だからこそ、できる限りの準備と自分を知ることが大切だと思った。
きちんとトレーニングを重ね、またここに来よう。
夏の登山はまだ始まったばかりだ。

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