小暮さゆ

駒込に住んでいます。書いたり、歌ったりしています🌿🖋️✨銭湯とクラフトビールともつ焼きが…

小暮さゆ

駒込に住んでいます。書いたり、歌ったりしています🌿🖋️✨銭湯とクラフトビールともつ焼きが好きです💚マシュマロはこちら🩵https://marshmallow-qa.com/pn3uuao00qlyrxa

マガジン

  • スープ食堂パーチェの冒険

    悲しくなったとき、私はいつもスープをつくってきた。野菜を細かく刻み、バターで炒める。冬の真夜中、秋の早朝、スープはいつも私の心を温めてくれた。私はそうやって、人生の嵐を乗り越えてきた──。縁あって、スープ食堂パーチェを開くことになったしのぶ。そのちいさな冒険を描いていきます。

  • 音の旅通信

    リサイタルシリーズ「音の旅」の道程を綴ってまいります。2024年9月スタート。

  • ミニマガジン「ちいさなくらし」

    月曜日に更新したり、しなかったりするミニマガジン「ちいさなくらし」です。

  • わたしのトリスタン

    《トリスタンとイゾルデ》の公演に向かう、四人の女性の物語。

  • カフェ・ポート・ブルックリンの朝

    世界の歌劇場で活躍してきた舞台美術家・澤松時子。いつしか彼女は〈マダム〉というシンプルな尊称で呼ばれるようになっていた。そんなマダムは、一通の依頼メールを受けて悩んでいた──。「駒込珈琲物語」と「わたしのトリスタン」を結ぶ、スピンオフ。

最近の記事

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ポートフォリオ

駒込在住の作家・声楽家、小暮沙優のポートフォリオです。 ◆小説 「弦月湯からこんにちは」 「ドルチェ・ヴィータ」 「あんぱんと弦月湯」 「一人称のゆくえ」─弦月湯シリーズ 「駒込珈琲物語」 「カフェ・ポート・ブルックリンの朝」 「真夜中にはチャイをあなたと」 「わたしのトリスタン」 ◆作曲 朗読モノオペラ《つなぐ》(抜粋) 歌曲集《風が吹く》(句:加藤節江) ピアノ曲〈海の記憶〉 ◆演奏 シューマン作曲《女の愛と生涯》 ワーグナー作曲《トリスタ

    • 小説「スープ食堂パーチェの冒険」another story

      ◆プロローグ === 「壱子さん、ねーちゃん、知ってる? レインボーマートの向かいに、新しくスープ食堂がオープンしたんだよ」  出先での打ち合わせから帰ってきた暦くんが、興奮しながらチラシを手渡してくれた。外は寒かったのか、鼻が赤くなっている。 「スープ食堂って?」 「夜だけの営業で、週替わりでいろんなスープを出してくれるみたいなんだ。かぶのポタージュとか、緑のミネストローネとか、はまぐりのミネストローネとか」 「あら、美味しそう」 「よければ、今夜みんなで行ってみな

      • 新しい歳を迎えたのをきっかけに、演奏名とペンネームを分けることにしました。ペンネームは「小暮さゆ」。どうぞよろしくお願いいたします🌿🖋️

        • Uさんが、【緊急企画】ぼくらの創作大賞2024をはじめられました!! https://note.com/ueu/n/nd8045d0adc35 他薦です。あなたの中のコレ!という作品を、ぜひ推薦してください✨ U兄さん、ありがとうございます🩷✨かっこええな!!!

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        ポートフォリオ

        • 小説「スープ食堂パーチェの冒険」another story

        • 新しい歳を迎えたのをきっかけに、演奏名とペンネームを分けることにしました。ペンネームは「小暮さゆ」。どうぞよろしくお願いいたします🌿🖋️

        • Uさんが、【緊急企画】ぼくらの創作大賞2024をはじめられました!! https://note.com/ueu/n/nd8045d0adc35 他薦です。あなたの中のコレ!という作品を、ぜひ推薦してください✨ U兄さん、ありがとうございます🩷✨かっこええな!!!

        マガジン

        • スープ食堂パーチェの冒険
          2本
        • 音の旅通信
          1本
        • ミニマガジン「ちいさなくらし」
          1本
        • わたしのトリスタン
          1本
        • カフェ・ポート・ブルックリンの朝
          4本
        • 駒込珈琲物語
          19本

        記事

          小説「スープ食堂パーチェの冒険」プロローグ(全4話)

           悲しくなったときは、いつもスープをつくってきた。  かぼちゃのポタージュ、ミネストローネ、はまぐりのクラムチャウダー。季節ごとの具材にあわせて、仕込みをして、手を動かし続ける。  私はそんなふうにして、人生の嵐を乗り越えてきた。  野菜を細かく、細かく刻む。バターで炒める。あくを取りながら、弱火で煮込む。牛乳を加える。  そうして、出来上がったスープをひとり、はふはふ言いながら食べる。冬の真夜中のこともあれば、秋の早朝のこともある。  私はそんなふうにして、人生の

          小説「スープ食堂パーチェの冒険」プロローグ(全4話)

          出版の目標にむけて ── 創作大賞2024ありがとう

           創作大賞2024中間選考が発表されましたね。  通過された皆様方に、お喜び申し上げます。おめでとうございます!!  わたしの作品は残念ながら通過しておりませんでした。残念な気持ちはありますが、書く喜びを取り戻させてくれた創作大賞2024に、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。  厳しい選考だったのだなと、あらためて思います。そして、自分の作品にはまだまだ伸びしろがあるということを感じてワクワクしています。  わたしの目標は、自分の作品を

          出版の目標にむけて ── 創作大賞2024ありがとう

          音の旅通信 第1号 ── リサイタルシリーズ「音の旅」について

           音楽のことは、歌曲の和訳を作っていく以外にはnoteではあまり書かないようにしようと考えていました。  でも、書くことも歌うことも自分にとって同じことであるなら、歌うことについてもうちょっと書く分量を増やしてもいいんじゃないかしら。そんな風に思えるようになりました。  この「音の旅通信」では、リサイタルシリーズ「音の旅」について……だけでなく、自分自身の音楽観とかをすこしずつ掘り下げていけたら嬉しいです。ゆるりとお見守りいただければ幸いです。 オペラからリサイタルへ

          音の旅通信 第1号 ── リサイタルシリーズ「音の旅」について

          公務員という生き方

           魂の欠片の詰まった本。まさに、そう形容するのが相応しい本です。  福島太郎さんが著された『公務員になりたいと思った時に読む本 ─公務員とは職業ではなく生き方です─』。  公務員を目指す方々に向けて書かれた『公務員のタマゴに伝えたい話』をリライトされて、ビジネス実用社からこのたび、ご出版なさいました。    読み終わったときには、自分が公務員だったらどんな未来があったのだろうと思い巡らせていました。自分の性格や資質に、公務員という職業はもしかしたら合っていたのかもしれ

          公務員という生き方

          「ちいさなくらし」 第1号 ── くらしがはじまるとき

           「ちいさなくらし」と題したミニマガジンを作ってみようと思い立ちました。  基本的に月曜日に更新していこうと思います。でも、毎週って決めちゃうと心がしんどくなってしまうので、更新する月曜もあれば、更新しない月曜もあるという、ゆるゆるスタンスでやっていこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 「ちいさなくらし」に、ずっと憧れていました  独身時代から、この「ちいさなくらし」というキーワードにずっと憧れてきました。いまはまだ詳しく語れませんが、実家ではさまざまなこ

          「ちいさなくらし」 第1号 ── くらしがはじまるとき

          小説「わたしのトリスタン」第1話(全12話)

          ◆前奏曲──はじまりのとき 「件名:カヴァーキャストの依頼(イゾルデ役)  本文:  恩穂井ユニエ様  お世話になっております。聖橋歌劇団企画制作本部の石坂です。  ワーグナー作曲《トリスタンとイゾルデ》オーディションの結果、  恩穂井さんにイゾルデ役のカヴァーキャストを依頼することとなりました。  以下、条件をご検討のうえ、お引き受けいただけるかどうか、  一週間以内にご返信いただければ幸いです。」  北三日月町の和菓子の老舗・三日月堂で一番人気の塩大福。それを

          小説「わたしのトリスタン」第1話(全12話)

          木曜日は小説の日

           木曜日は小説の日。ひっそりと、そう決めてみました。  明日9/12(木)から、小説「わたしのトリスタン」の連載を開始します。  当初の予定よりも、一週間前倒ししてのスタートです。  四人の女性が向かう、ひとつの舞台。  《トリスタンとイゾルデ》の上演までの日々を描きます。  隔週で、毎週木曜日に更新予定です。  「わたしのトリスタン」を更新しない木曜日には、ふたつの連作短編集を交互に連載していきます。  「真夜中にはチャイをあなたと」、そして「ボナペティート」

          木曜日は小説の日

          扉を閉めたら ─福島太郎さんへの感謝をこめて─

           太郎さんの記事を読んだのは、人生の中でのある扉をひっそりと静かに閉めた日のことでした。  太郎さんへの感謝の思いを綴る前に、この閉めた扉について少しだけ書かせてくださいね。ちょっと長くなるかもしれません。  この十数年ほど、持病の統合失調症とパニック障害ゆえの体調不良に悩み続けた歳月を送ってきました。もともとの特性である、ADHD×ASDの二次障害による持病です。このうち、パニック障害は比較的新しい持病なのですが、この子がやってきてから、これまでのスタイルでの演奏活動は

          扉を閉めたら ─福島太郎さんへの感謝をこめて─

          福島太郎さん……ありがとうございます😭✨ 落ち着いたら、あらためて御礼の記事を書かせてください。 いまは混乱のあまり、部屋を行ったり来たりしています…。 太郎さんの作品を読んで、福島にめちゃくちゃ行きたくなっていますよ!! https://note.com/tarofukushima/n/ne56ef1c90e6c

          福島太郎さん……ありがとうございます😭✨ 落ち着いたら、あらためて御礼の記事を書かせてください。 いまは混乱のあまり、部屋を行ったり来たりしています…。 太郎さんの作品を読んで、福島にめちゃくちゃ行きたくなっていますよ!! https://note.com/tarofukushima/n/ne56ef1c90e6c

          本が一冊、できました

           きょう、本が一冊できました。自主制作です。  とってもうれしいです。可愛いです。  三次元に降臨してくれた「弦月湯からこんにちは」。  めちゃくちゃ愛おしいです。 「そうだ、本を作ろう」と思い立ったのは、8月15日のことでした。  手足を動かし続けると、現実世界で形になるんですね……。今回作ってみたのは自分のための一冊だけですが、本作りの過程はとても楽しかったです。  8月の段階では100日のあいだに出版社に企画書を持ち込もうとか、いろいろ考えていました。でもそ

          本が一冊、できました

          あとがき──小説「カフェ・ポート・ブルックリンの朝」

           短編小説「カフェ・ポート・ブルックリンの朝」が完結しました。  小説「駒込珈琲物語」の登場人物である舞台美術家・澤松時子にスポットを当てた短編。自分にとっても、特別な短編でした。  最初に「駒込珈琲物語」を書いた2020年は、コロナ禍の年でした。その年の夏、わたしはあるオペラのプロダクションにカヴァーキャストとして参加させていただいておりました。その経験も、作品にすこしばかりにじみ出ているような気がしています。  オペラって、とってもたくさんの方々の力が合わさって出来

          あとがき──小説「カフェ・ポート・ブルックリンの朝」

          小説「カフェ・ポート・ブルックリンの朝」第3話(最終話)

          「マダム、考え事ですか?」  いつの間にか席に戻っていた栞が、声をかける。そして、大きなジャーに入ったアイスカフェラテの氷をかき混ぜる。からんからんという音が涼しげに響いた。その音を聴いているうちに、口がすっと開いた。 「そうね、考え事。珍しく、悩んじゃって」  マダムは、自分の唇から放たれた言葉に軽い驚きを覚えた。これまで重要な判断は全て、自分で決めてきた。相談されても、することは殆どなかった。けれど、扉は開かれた。いや、彼女自身の意思で開けたのかもしれない。とにもか

          小説「カフェ・ポート・ブルックリンの朝」第3話(最終話)