ゆるい部活ばかり兼部したら、ふつうに美味しかったという話。
こんにちは、沙游です。
中学校の時は英会話部、ペン習字部、美術部に在籍し、高校では茶道部、演劇部、天文部、化学探求部に所属していました。(大学にはサークルが5個あるかないかで無所属でした)その頃得られたことを思い出しながら今に繋がりそうなおいしいところを述べようと思います。
部活紹介なんて面倒、って人は▶︎教育現場の美味しいところまで読み飛ばしても問題ないですよ!
▶︎それぞれの部活について
中学編 英会話部
週1回、NO●Aなど英会話レッスンを担当していそうな外国人講師がやって来て、初歩英語の超簡単なフレーズを中心に10個ぐらいを小一時間かけてのんびり会話するだけの部活でした。部員も3人くらいしかおらず、今思い返せば超潤沢なマンツーマン状態で、しかも講師の男性がニベアのCMに出て来そうなイケおじでしたので部活としては最高だったように思います。
メリット
拘束時間が本当に短い。講師も時間が来たら別件でサクッと帰ることが多く、「来月は夏休みだけどどっか出かけるの?」くらいの英語が話せて聞ければ良い。運動部のような試合やスタメンや成果を気にするストレスがまるでない。
デメリット
英語力は身についたか不明。あと、部員同士が少なすぎてあんまりグループ感は出なかったので、部活というより個人鍛錬の場に近かった。
中学編 ペン習字部
週1回、万年筆で書ける美しい字を鍛錬する部活。一般的な習字教室の風景が硯と筆からペンに変わっただけ。国語の先生が熱心に指導してくださったので、ちまちま昇級課題などをこなしていた。5人くらいの部活。
メリット
いろんな理由でここに流れ着く生徒が多かったこと。本当に字が上達したい子は黙々と習字をして、生徒間で話し合ったり先生に指導をもらうことが多かったが、本当にゆるい部活を探していた生徒は昇級もなく全く上達しないというのも興味深かった。しかも、部活一般のそれと違って字の上手い下手でのヒエラルキーがない。人間観察という点では下手な運動部よりも長期的に定点観測ができた。また、中学生で自分専用の万年筆を持つという、中二病にも近いオシャレ感を満たしてくれたので本当に感謝している。
デメリット
万年筆で綺麗に書くことと、受験で大量に文章を書いていくことは共通しない。諦めたほうがいい。しかも大人になってからの文章表現ツールはPCにほとんど移行したので、役に立つなあと感じる機会は薄い。
中学編 美術部
これは美術部というなの漫画イラスト研究部で、週1回のオタクの巣窟。本当に好きな漫画のキャラクターを書くのがメインで、学園祭のために漫画に見えにくいイラストをしたためる以外は好きな週刊誌の切り抜きを模写する会だった。
メリット
二次創作やイラストが好きな生徒が各クラスと学年からゆるっと集まって雑談しながらそれぞれを推しを布教する場なので、悪意がない。また、本当に帰宅部に近い人生を達観したような奴がふと紛れ込む。美術の先生の休み時間に等しいところもあって、先生の個人制作を覗き見して創作本来の楽しさを長いスパンで体験させてもらえたのは今につながっている。
デメリット
悪意のない好き同士がぶつかる溝。思春期の生徒が正義と正義でお互いを「常識ではあり得ん」と思想で殴り合う事件が発生した時の収集できなさといったら、犬も食わない。
高校編 茶道部
週2日、2時間程度の部活。表千家師範がお着物で指導してくださる日が1日、自主練が1日の部活。10人くらいで、おしとやか系かおしとやかに憧れるおっちょこちょい女子の園。2部屋分の和室と水場、茶道具と琴の収納部屋があったため、茶道の内容もわりかし本格的。
メリット
2時間飲食ができるという最高の癒し。受験戦争に追われる生徒が一服の癒しを求めて集う。浴衣、着物の基本的な着付けや和室での行動ルールが勝手に身につく。師範の家に出向いてお正月の特殊なお茶会を体験できたため、「茶道はお茶だけを飲んだり作ったりするところ」という既成概念が吹っ飛ぶ。
デメリット
男性は希少種。自分の行動について綿密な手順をつなげていくことになるので、忍耐力が要求される。これで茶道が好きになって、本当に茶道師範になろうとすると年間2桁万円くらいの自己投資と女の園での上層部への気遣いが足掛け5年以上必要になる。
高校編 演劇部
週1〜2回、発声練習やお題に沿った寸劇訓練を行い、年1〜2回の公演を企画する。台本をキャラメルボックスなど、少人数の演劇集団から拝借して演技していく。6人くらいの部活。
メリット
意外と体力も必要、とっさの判断力も要求される場が多く、社会人として対外的にやり取りする能力の部分を多く鍛えることができた。たとえば、一つのセリフの中からどのような感情や背景を読み取れば良いのか、という討論がよく行われるため、言葉という情報にとても丁寧になることができる。
デメリット
痴情のもつれ。演者同士で恋愛シーンを練習しすぎることで個々人の本来の趣向と関係なくても倒錯することがある。
高校編 天文部・化学探求部
週1〜2回、天体観察や宇宙に関する研究を行う部活。それぞれ3人くらいだったように思う。それぞれが天文に関する研究を行い、季刊誌で発表するのが主な活動。人数が少ないため後述の化学探求部や生物部と連れ立って「地下部」と呼ばれていた。
メリット
天文部という名の理系の溜まり場。本当に好き放題好きなことを調べている。地下部同士でハロウィン会やら映像上映会を行っていたが、バーテンの格好をしながら亜硫酸銅を製造する生徒、女装をして放課後に徘徊する生徒、純粋な宇宙オタクと、あらぬジャンルに全振りした人間と多く知り合える。
デメリット
天才肌同士なのでそっと眺めるくらいがちょうど良い。こんな人間もいる、、、、という度胸が身につく。
▶︎美味しいところ
それぞれの部活の思い出も山ほどあるのですが、これらすべての部活に首を突っ込んでみて得られたのは
・ 一定の成果を求めることばかりが人間の幸せに繋がるわけではない
・ 普通とか常識という括りほど信用できない
・ 色々な人間が好きなことで楽しそうにしている交流の場は活用したほうが良い
ということです。
noteのもっとも大事なことに書いてあることがシンプルに鬼強い、と私は思っているのですが、
「楽しい」という瞬間を大事にしていくことが、結果的に自分を大事にすることに繋がるし、その「楽しい」が他人からみたらどういったものであるかということは一旦考えないくらいの方が良い。
普通とか常識でみたら逸脱してしまうことも、それぞれ「楽しい」をマネジメントしていくときには犯罪やら他人に迷惑をかけすぎない範囲内であれば、まずやってみたほうが良い。
そして、それらを好き放題実践している集団のところへ気兼ねなく足を運んでみると良いと思います。教育現場では、それが部活動という場所だったし、社会人の間ではコワーキングスペースなり社会人サークルなり一部婚活なり。SNSやnoteだって十分そのツールとして成立していると思います。
人に会うのが本当に苦じゃない、という人は隠れ家的なゲストハウスでのんびりするってのも乙ですよ。
向上心を意識しすぎるとどうしても「辛い」「克服」「ストレス」というのが逆に良薬に感じられて、やらなくていい努力を勝手に担いで自滅してしまうことだってあるので、適度に美味しい思いしましょう。
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