親亡きあとに取り残されたきょうだいの不安
親が老いて死に向かうにあたり、介護、終活などのキーワードが飛び交うことが一般的な昨今。
私の場合、それ以前に「親亡き後」という言葉でまつわるいろいろな心配事があります。
そんな中、こんな記事を発見。
親が老いていくだけでなく、のこされた障害のある兄弟と私はどうすれば?というか、何が待ち受けているの?という不安がやってきます。
障害者家族のもつ、大人になってからの不安
先日もかきましたが、知的障害・自閉症の兄貴と弟の間にはさまれ育ちました。
で、私自身幼い頃にそれほど「きょうだい」同士でつるんでいたわけではない(家族同士で集まる場では遊ぶしそれはそれで楽しかったが)ので、そういう悩み相談とかも特にしないまま大人になっていった感があります。
きょうだい同士でつるまないので、普通の友人に家族の相談をするのかといえば、大体のきょうだいはそもそも家族の話ってしにくいなーと思っている人が多いっぽいので、結局の困ったことが起こったときに詰む、という流れになりがちだと思います。
そんな中、きょうだい同士でどうにか知恵を共有したほうが良いのでは!と思えるのがちょうど20代になる頃という感触があります。
なぜならまさに、大人になってからのほうが、現実的に具体的な課題が見えてくるから。先程の記事のように。
そしてその記事にあるように、障害者のおよそ60%は、親と同居しているという「老障介護」という状態の家族は多く、我が家もその1人で、あと10年たったらどうなるのだろうという、おぼろげに見えたタイムリミットも影響しているように思います。
なんで不安がいきなりやってくるのか
上に書いたように、そもそもきょうだい同士でつるまないよね、という前提で、情報交換がなかなかしづらいところもあるのですが、それ以上に不安の原因は、きょうだいに対して親が何をしてきたのかを意外と知らないという側面があると私は考えています。
例えば私の場合、兄も弟も成人になってから薬を飲んでいますが、病院にどういうふうにかかってどう処方されているのかなんて知らないわけです。かかりつけの先生も知らん。
施設に通う彼らが日常で何をしているのかも、正直よくわかってない。彼らが作業しているところとか見たことがない。(迎えにいくのについてったとかはあるけど)
彼らが毎日穏やかに過ごすために、親が気をつけていることはもはや暗黙知で、ましてやもう10年親元を離れた身としてはそれを垣間見ることもない。
10代のころなんて自分が一番大事な時期なので見てもないし。笑
後見人として備える
こういう障害者家庭において、「家族」の問題が多様化しているように、そこに障害当事者がいてもその状況は多様です。
なので我が家の事例はあくまで1事例であり、私の周りの事例も事例でしかない前提で書きますが、親はきょうだいに負担をかけずにいたいと思っている人が多い。
かといって親が亡くなったあとに最低限家族としてどうするべきかは、答えがないまま漠然と悩んでいるという状況の人は多いような気がします。
「負担」を意味するのは、生活介護や同居などの、生活面のところですが、かといって親がいなくなって「保護者」がいなくなることの不安はあるわけで、保護者として親がしてきたことを知らないし…
そんな中、我が家は後見人の話がでてきたのは10年ほど前。
みなさんは「後見人制度」は知っていますでしょうか。正しくは「成年後見制度」らしいですが。
この記事がわかりやすい。
後見人とは…
判断能力が不十分なため契約等の法律行為を行えない人を後見人等が代理し、必要な契約等を締結したり財産を管理したりして本人の保護を図るもの
とのこと。法的に保護者代わりになるよ、みたいなイメージかな。
私自身、20歳になってから、母に後見人制度の話を持ちかけられました。
もう30代になったので10年ほどまえの話になりますが、後にも先にも、「家族のこと」で頭に入れておくべきことを言われたのは、これが初めてのことでした。(以降、その話は今の所ない程度に、我が家はあっさりしている)
親亡きあとどうする?という"井戸端会議"が必要かも?
我が家はある意味冷静に、特に母親が現実問題としてどうすべきかを考えているタイプみたいなので、この辺の話を淡々と進めやすい(ドライということではもちろんない)のですが、周りはどうしているんだろう?というのが見えないんですよね。
かといって、そんなに頻繁に相談することでもなければ、相談できるような当事者も周りにあまりおらず。
なんなら、大体同世代で集まるとして、するとみんな困りはじめのスタートラインにいることも多くて「みんなでどうしよう?」って困っていることも多い気がします。
正直、小さい頃にきょうだい児支援とかあっても不必要では?という感じがしていましたが、むしろおとなになってから何か不安解消するものはほしいかも。
かといって、わざわざ支援されたいという感じじゃなくて、不安をまずは解消できるような関係が必要かもね、なんて思っています。
🌼
最近、「きょうだい」にまつわる課題感をチームでも共有しながら、それに関する企画の準備をしています。(明日、その話について記事を書く予定です)
こういう家族の事情ってなかなか周りに相談したり共有したりが難しいので、もう少しいろんなきょうだいのひとと話してみたいなーと思ってます。
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