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スポーツジムはインクルーシブデザインの可能性にあふれている

今日はちょっと書こうと思った内容から少し変えて、マーケティングとインクルーシブデザインの間の子みたいな内容を書こうかなと思いました。

きっかけは近藤さんのこのツイート。

近藤さんは別の団体でカメラマンとして活躍されていて、そこで知り合いました。すごく素敵な写真や動画を撮られておるです。

そして近藤さんのYouTubeも拝見。

車椅子ユーザーということで、スポーツジム入会ができなかった話を語ってくれています。

彼みたいなアクティブな人にとって、そうやって断られたのはとても残念な気持ちになっただろうと思うと胸が痛いです…

一方で、受け入れ側も受け入れ方としても想像しきれてないことが多々あり、大手だからこそ現場判断もなかなか難しく、現場の人には悔しい思いになった人もいたのでは、と想像すると、なんとも言えない気持ちになりました。ちょっと私優しすぎかな(笑)

こういう問題提起はシリアスに受け止めるようなものが多いのですが、近藤さんがすごく優しく語ってくれているおかげで、そして彼自身がポジティブに自身で筋トレしている様子も見せてくれたおかげで、未来を少し描きながらこの話を受け止めることができました。(近藤さんありがとう!)

そしてこの動画を見たときに思ったんです。

「スポーツジムこそインクルーシブデザインしがいがあるのでは?」と。

もはやチャンスじゃね?くらいにも思ったりしました。

なのでまずは少しその背景を紐解いてみつつ、何ができるか考えてみたいと思います。

今回は特別これという企業のマーケティング戦略を紐解くわけではないのですが、マーケティングトレースを参考に、市場の分析をしてみたいと思います🐼

フィットネス市場の可能性がすごい

まずはPEST分析でスポーツジムを取り巻く全体像から。

🌏 政治:国も健康促進への取り組みが盛ん

国も健康増進のためにいろいろな法律を策定していますが、特筆すべきは「健康日本21」でしょうか。

健康増進法に基づき策定された「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」であり、国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向や国民の健康の増進の目標に関する事項等を定めたもの

だそうです。現在は「健康日本21(第二次)」となり、健康増進の目標がいくつか項目に分かれて設定されています。

💰 経済:マーケットは拡大中

これは言わずもがなですが、NewsPicksの「フィットネスクラブ業界」のチャートを見たところ、市場規模は5,600億円弱(!?)で、潜在需要の大きさから市場の成長期待とのこと。

👨‍👩‍👧‍👦 社会:筋トレブーム、2020オリパラの影響

筋トレブームはすごいですよね。かくいう私ですら行ってるくらいですしね…YouTubeのチャンネルも、トレーナーさんのチャンネル増えてます。

また、2020東京オリンピック・パラリンピックの影響はかなりあると思います。パラリンピアの活躍が地上波で特集されることが当たり前になった時代で、筋トレブームも合わさると、障害当事者も何か身体を鍛えたいと思う人は出てくるのではと思います。

💪技術:健康管理アプリ、トレーニングアプリなど

今すごく増えていますよね。体重やトレーニングの記録を残すもの。また、トレーニングもアプリを見ながらできるものも増えてきました。上記にも関係しますが、YouTube見るだけで筋トレできたり、トレーニング情報を得られる時代になった。

新規参入するにはどうしても場所が必要だった時代から、小さなスタジオとビデオカメラ、そしてその動画と編集技術さえあれば発信ができる時代だし、それを見て家でトレーニングできる時代になったってすごい…

♿身体障害者の経済力

ここで最初のテーマの根本に戻りますが、マイノリティに焦点をおいた場合、よく経済性の議論がなされます。というのも、商品やサービスを彼らのために作っても、その対象者の経済力がなく、届けられないというものです。

実際にそうなのかを見ていきたいと思います。

そもそも、フィットネスクラブの平均月額利用料金は、これという数字を見つけられなかったのですが、いくつか参照しておそらく1万円前後という感じみたいでした。

で、身体障害者で働く人の数は、厚労省の調査によると、平成30年6月平成 30 年6月時点の調査データによると、推計 42万3000人と出ています。

身体障害者の平成30年5月の平均賃金をみると21万5000円なのだそう。(ちなみに他の障害種別に比べると圧倒的に高い)


結論:月にジム1万円くらいであれば行きたい人は全然行けそう。


💪💪💪

人口が減少していく社会において、障害のある人たちのマーケットを上手にとりこんでいくのは大事な観点です。

環境として整えるという障害者差別法や合理的配慮の観点から取り組むことももちろん大切ですが、本音としては「コストかかるなあ…(小声)」という事業者さんは多いです。

そうしてネガティブな気持ちでこういうものに取り組んでも、結局「ガワ」だけになりがちで、根本解決につながらない事例も多々あります。

そういう意味では、マーケットとしてチャンスがあるのであれば、もっと前向きに取り組みやすいのではと思います。

実際にフィットネス・スポーツジムは、高齢化への対応や新規顧客獲得のためのサービス拡充などが課題なのだそうです(NewsPicksのフィットネスジムのチャートより)。

高齢な方々を巻き込んでサービス改善などをするのは難しさがあると思いますが、高齢な方々にも、車椅子ユーザーにも使ってもらえるという観点で、サービスのアップデートをしていくだけでも、新規顧客獲得のアクションはしやすいと思います。

実際に、高齢者の観点と、障害のあるユーザーの観点はそれぞれ活かせるので、うまく身体障害の方々を巻き込んでいけば、今の時代には良いメッセージを放つことができると思います。

「障害者からお金をとるのか?」みたいな意見もあるかもしれません。でもインクルーシブというのは「その当事者もお金を払いたい!と思える環境をつくる」観点も大切ではと思います。

下記も参考記事。

まあでも、障害のある人達とどう接して、どうサービスをアップデートしていけば良いのか、わからなかったりとまどいのある方も正直多いと思います。

近藤さんの事例でも、そもそも「ジムで何かあったら…」という理由でお断りされるくらいですから、もうとにかく受け入れ側って思った以上に心理的ハードルを高めているんですよね。

でも、うまくそういう当事者のみなさんを巻き込んで一緒に考えれば、アイデアも創発的に生まれますし、よい意味で共犯者(仲間)になってくれるので、インクルーシブデザイン的手法で取り組んでいかれるといいのになあと思います。これだけでCSR活動的メッセージにもなる。

ということで、そういうご要望がありましたら、いつでもお待ちしております!

私も明日、トレーニングにいきまーす!


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