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日本社会全体が「痩せ賛美」という現象の後援者

「痩せていることが美しい」


という私たちの認識は

何十年も不変で圧倒的価値を保っています。



痩せるサプリ、痩せる酵素、痩せるドリンクなど、

「痩せる」のキャッチフレーズで儲けている企業はたくさんあります。


美しいの基準ではありませんが、

病院でもクリニックでも太っているのは良くないと、健康のために痩せるようにアドバイスされます。



ネット広告でも痩せましょう痩せましょう

テレビでも痩せましょう痩せましょう

病院でも痩せましょう痩せましょう



私たちは知らないうちに、

痩せることが良し

という「バイアス」にかかっていると感じませんか?


「いや、事実太っていると健康に悪いから」
「実際、痩せている方が綺麗だから」


わかります。


けれども、


「痩せていることを良し」とする「バイアス」がかかっているばかりに、


痩せること、痩せていることへの

問題意識のなさに

この国は大丈夫なの?

って思ってしまいます。



摂食障害で亡くなった海外モデルが複数人いることをご存知ですか?


なかでも、

2006年にウルグアイ出身のトップモデル、ルイゼイ・ラモス(Luisel Ramos)がファッションショーに出演後に気分不良を訴え、

控室で摂食障害による低栄養で死亡したことは、モデル・服飾業界をざわつかせたようです。


このセンセーショナルな事件に、

欧米では国を挙げて痩せすぎモデルの規制を始めました。


フランスでは2015年に痩せすぎモデルを禁止する法律が成立し、

モデルに医師の健康証明書を要求することとして、「ファッション業界が摂食障害を助長している」との批判に対応しています。


海外ではモデルの労働環境改善へと動き、

「ストップ摂食障害」への対策が始まっているのです。



摂食障害で亡くなったトップモデルは氷山の一角に過ぎないということを問題視しない日本は、


「痩せていることが美しい」


という価値と、


そこから生まれる利益の追求をまだまだやめないということなのでしょうか。



人間離れした宇宙的スタイルでランウェイを歩くトップモデルは、ブランドの価値や個性を引き上げてくれるでしょう。


恵まれたスタイルを持つ韓国アイドルを更に絞り込んで、異次元に仕上げた姿に、私たちは目を奪われます。



普通基準ではないことに価値がある業界にとって、

「普通」では需要はなく美しくもないのです。



意図的ではなくても

意図的にでも


服飾・モデル業界のみならず、 

芸能、マスコミ、

美容関係も痩せている価値を助長し、


更にそれをあおるように、

痩せるサプリや酵素が販売され、

医療機関では痩せることを勧めてくる。



行き過ぎた環境や利益追求は、

大きな損失や犠牲や被害を生む可能性があります。


普通では美しくない


より痩せていなければ美しくない 


それが延々と続くのは、


日本社会全体が「痩せ賛美」という現象の後援者となっている構図なのかもしれません。





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