「笑える~こわい話」第39号
メルマガ 2015年 2月18日
笑える~こわい話 第39号 発行 アメージュ
ブログでは語れない真実をお届けするメールマガジンです。
目 次
(1)紗依のここだけの話「霊感友だち」
(2)編集後記
紗依のここだけの話 第39回「霊感友だち」
昔の我が家は弟子が住み込みだったので、家に誰もいないということはほとんどなかった。だから、子供の頃の私は鍵を持って出かけることすらなかった。
そんな環境で育った私は、社会人になってから初めて留守番することになった。冬の寒い日なのに、我が家でひとりになるのは滅多にないので私はなぜかワクワクした。
(ひとりで何しよう)
ひとりを満喫するのにまずテレビをつけてみた。いつもたくさんの弟子がいるのでチャンネルは思いどおりにならなかった。私はひとりでテレビを見ながら幸せを感じていた。
「あっ! そうだ! 友だちと長電話なんてのもいいかも?」
もう浮かれ気分でワクワクしながら受話器を取った。
「ツーツーツー」
こんな時に限って相手は出ない。仕方なく長電話計画をあきらめ夕飯をなににしようかを考える。考えたあげく、
「出前とっちゃお~」と、お店に電話。
「もしもし? あんかけ焼きそばひとつお願いします」
私は届くのを首を長くして待った。
ピンポ~ン。
「待ってました!」
あんかけ焼きそばを受け取りテレビを見ながら至福の時……。あっという間にペロリとたいらげた。
(ん? でもなんか、つまんない)
ひとりを満喫するつもりが思ったほどやりたいことがなかった。だらだらしながら夜もふけていき夜中の0時をまわるころ、
(もう寝ようかなあ)と、思ったその時、玄関のほうで音がした。
(だ、誰?)カーテンをそっと開けて覗いてみても雪がしんしんと降っているだけで誰も見えない。
(強盗か? どうしよう、怖い)ネガティブな妄想が頭の中を駆け巡る。
怖いので居間の電気を消してようすをうかがうことにした。すると、窓のほうから光が家に向けられた。
(うわっ、懐中電灯? う、動いている。家の中探ってるんだ! こ、怖い……懐中電灯で家の中を覗いてる……こ、怖い!!)
その時、目の前に電話があることに気付いた。
(警察、警察……)と、電話をかけようとしたその時!
ガタ、ガタ、ガタ!! 外のドアノブを力任せに回された!!
(ギャア~! お、男が入って来た!)
「うわぁ~!」
「おい、おい……お、俺、おれ!」
「あっ、へ? あんたなんでいるの?」そこには弟が立っていた。
「何、妄想してるの?」
「えっ? あはは~妄想ねえ~あはは~もう、そうなんだあ、なんてなっ、あはは~」
弟いわく、鍵をなくしたのでどこから入ろうかと窓を確認していたところ、開いてなかったのであきらめて車に戻ったら、車の中で鍵を見つけ入ってきたらしい。
いや、マジで怖かった。てっきり強盗だと思った。私の勘ちがいで良かった。
強盗といえば、変な夢を見たことを思い出す。
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