読書感想文①:この社会の歪みと希望
上記の本を読んで感じたことは、大きく2つ。
1つは自分が「コロナによって苦しんだ人達」について、あまりに無知であったということ。
もう1つは「社会の価値観を変えるためにはどうしたらいいか」というテーマについて深めていきたいと思ったこと。
コロナで苦しんだ人達にとってあまりに無知だった自分
「コロナになって良かった面もある」と思ったことが何度かある。
会社がテレワーク制度が根付いたおかげで通勤せずに済むようになったり、コロナ前はやたらと開催されていた飲み会の頻度が減ったりなど、自分にとってはポジティブな影響も多かったからだ。
ただこれは、原爆の被害にあってない人が「アメリカが原爆を落としてくれてよかった。なぜなら原爆のおかげで戦争の早期終結が実現したからだ。」と考える思考とよく似ている。要は自分のことしか考えてられておらず、そのことで苦しんでいる人のことを想像することができていなかった。
コロナにかかって死ぬリスクよりも、経済的に追い詰められて死ぬリスクの方が高い
上記は本書内に記されていた言葉。
本当に何も知らなかったとこの本を読んで痛感した。
コロナによる不況のあおりを受け、勤め先を解雇された女性が、路上生活の末、恐喝未遂で逮捕された事件があったこと。
ネットカフェの休業で居場所を失った人たち向けに開放された施設の環境が劣悪だったこと。
コロナ禍以降、自殺者の数は増加傾向にあること。
何も知らなかった。
社会の価値観を変えるために
本書の中では、相模原障害者施設殺傷事件や貧困問題の根底に潜む
「社会の役に立たない人間は不要という社会の空気」が問題であると指摘している。
相模原での事件は、施設で暮らす方々を”役に立たない”と誤認した犯人が起こした暴挙であった。また、貧困にあえぐ人達の中には、自ら支援を求められる人が少ないらしく、その背景には「自分は助けられるに値する人間ではない」という意識があるそうだ。
では「生きているだけで価値がある」「生きていることそれ自体が素晴らしい」と皆が感じられるようにするにはどうしたらいいのだろうか。
今後の記事では上記テーマについて、考えを整理していきたい。