ちくわZ

1982年生まれの女性、東京都出身・在住。出版社勤務を経て、2011年からフリーランス…

ちくわZ

1982年生まれの女性、東京都出身・在住。出版社勤務を経て、2011年からフリーランス編集者&ライターとして活動。座右の銘は「鴨の水掻き」。「仕事以外の文章をとりあえず書く!!」を目標にがんばりまーす。

最近の記事

スキマバイトのスキマにあったもの

スマホのアプリを開いて愕然とした。 この2ヶ月弱で「獲得した報酬」が、10万にも満たなかったからだ。 「けっこう働いたつもりだったんだけどなぁ……」 獲得した報酬総額は80,788円。 平均4時間程度で計15日間の勤務。 よく考えてみれば、そりゃぁそんなもんである。 ちゃんと時給は1,200円くらいもらってるし、交通費だって出してもらってる。 だけど、せめて10万くらいはいっているかと思っていた。 そうか、お金を稼ぐのってこんなにも大変だったのか!! 学業や子育ての

    • 41歳、無職になる。

      今年の3月のスケジュール表が、こんな感じになってしまった。 あまりに寂しいから、友達の誕生日で空白をちょっとだけ埋めてみた。 41歳、今年の夏で42。 ちなみに独身、子なし。 いや、そんなことはどっちだっていい。 とにかく生きがいだった仕事が、まったくなくなったのだ。 世間から見たら絶望的かい? 別に会社を解雇されたわけでもないし、 「一身上の都合」ってやつで辞めたわけでもない。 なにかとんでもないヘマをした覚えもないし(たぶん)、 多少の老いは感じるものの、体だってす

      • 【ショートシナリオ】 「俺の小籠包」

        ⚫︎ 登 場 人 物 工藤孝三(57)N商事の営業部長 加賀直樹(35)N商事の社員 石崎 勝(33)N商事の社員 ○中華レストランの個室(夜) N商事の社員十数名が、さまざまな中華料理が並んだ回転テーブルを囲み、歓談をしながら食事をしている。 工藤孝三(57)が小皿の酢醤油を箸先で小刻みにつつきながら、斜め向かいにある小籠包が8つのった皿を睨んでいる。 隣の席の加賀直樹(35)が工藤のグラスにビールを注ぎながら、 加賀「部長の大好きな小籠包、頼んでおきましたよ〜

        • 【雑記】通学途中で

          午前9時4分。 東京メトロ有楽町線のH駅で、私は最後尾の車両に乗り込んだ。 すべての窓には鮮やかなピンク色のステッカーが貼られている。 通勤ラッシュは過ぎたようだが、 車内はかろうじて人と人とが触れ合わないですむ、という程度に混み合っている。 しかし、車両の天井はいつもよりも広く開き、遠くまで見渡すことができる。 座席に並ぶ足はどれもハイヒール。 ここは、女性専用車両である。 携帯電話を眺める人と読書に耽る人が、ほぼ交互に並び座っている。 座席の一番端の女性は手すりに体

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