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ハマチのサヤ
2021年6月6日 17:44
あれはある昼下がりの、夕方の日差し迫る、いい風の吹く頃の事でした。いつものように崖を登って空を眺めていると、何処からか列車が通り過ぎてゆく音が聞こえてきました。当然、周りに線路など無いし、空耳にしてはちょっと長いし鮮明に聴こえたので、これはこれは不思議に思って、ぼおっと、悪戯に時を浪費し黄昏ておりました。時刻は午後5時過ぎ。暫くすると夕焼け小焼けのチャイムがじわりと遠くから聞こえて
2021年1月4日 04:04
仄暗い、じっと仄暗い、月ももう嫌になる季節です。忙しない、ちと忙しない、じぃっとしてればいいものを。どっちかにしておくれよ町よ、重い静寂に滲み出る生活。そこがダメなんだよこの町は。もっと、そうさ、このまま、もっと、沈んでおくれ、いっそ底まで。チカチカ信号機もご苦労様々、お前のことなんかもう今じゃ誰も見ちゃいないよ。あれまどうしちまったんだよお前、頭は動いちゃいないが手と足はまだ
2020年10月28日 09:49
(2019-4/30)赤と青と黒。淡いコントラストが町の空を覆う。じっと、見とれていた。ただじっと見とれながら歩いていたこの町は、気づいたら蒼。蒼の世界。朝が襲来する。いつも居るはずなのに、懐かしい、この風景。この町は、ただいまを言う町。駅からの帰路をただ毎日毎日繰り返す。ただ、それだけの町。午前4時、眠れない僕は、ふと何気なしに外へ出てみた。何ヶ月ぶりだろうか。あの道以外のこの