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猪野いのり
2016年1月13日 21:55
伝説では紫の星を聖夜に見つけると願いが一つ叶うという。少年は屋根に登り夜空を見上げた。しかしどんなに目を凝らしても紫の星は見つからない。諦めて屋根を下りるとローズマリーが足元に咲いていた。これも紫か、と少年が一つ手に取ると花の中央に小さな少女が眠っていた。おどろいた少年はそのまま花ごと少女を家に連れて行った。そして少年は小さな少女と幸せに暮らす。もう誰もいない世界で、ひっそりと。